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(左から)マストゥール、バクスター、フリンポン、モリソン【写真:Getty Images】



ラヴェル・モリソン(イングランド)
生年月日:1993年2月2日
現所属クラブ:ダービー(イングランド2部)

同世代のポール・ポグバやジェシー・リンガードらとともに、マンチェスター・ユナイテッド史上初のFCユースカップ優勝を成し遂げ、サー・アレックス・ファーガソン監督に「私が見てきた中でもずば抜けた才能」と言わしめた逸材だ。

しかし、ピッチ外での素行がとにかく悪く、暴力や刃物の所持などで警察のお世話になることもしばしば。自分が関係する裁判の証人を脅迫したこともあった。そして私生活が全く改善される気配のない様子に、さすがの名伯楽ファーガソンも匙を投げた。結局、ポグバをも超える才能を見込まれていながら、ユナイテッドのトップチームで得たのははごくわずかな出場機会だけで、ウェストハムへと放り出される。

ところがそこでもうまくいかず、契約交渉のもつれなどもあってQPRやカーディフへ期限付き移籍したのち、サム・アラダイス監督とも衝突して退団。約半年の無所属期間を経てラツィオへ旅立つが、これが大失敗だった。イタリアでもチャンスは限られ、QPRへの再レンタルを経て、メキシコへ渡ってアトラスで1年間プレーする。

そこで自信を取り戻したモリソンは、2019年2月にスウェーデン1部のエステルスンドと短期契約を交わし、同年夏にシェフィールド・ユナイテッド加入を果たしてプレミアリーグに戻ってきた。とはいえ出場機会は限られ、冬にはイングランド2部ミドルスブラへ期限付き移籍したものの、浮上のきっかけはつかめず。無所属の期間を経て21/22シーズンからはダービーに加入した。

エマヌエル・フリンポン(元ガーナ代表)
生年月日:1992年1月10日
現所属クラブ:なし(2019年3月現役引退)

アーセナルの下部組織出身で2008/09シーズン途中にトップチームでベンチ入りも経験する期待の逸材だったが、本格的に公式戦デビューが期待された2010/11シーズンの序盤にひざに全治9ヶ月の大怪我を負ってしまう。そこから復帰した2011/12シーズン序盤にトップチームデビューを飾り、闘争心溢れるプレーでブレイクが期待された。

しかし、気性の荒さからチームメイトとのいざこざも伝えられ、2012年1月にウォルバーハンプトンへ期限付き移籍。すると、5試合目の出場となった試合で再びひざに大怪我を負ってシーズン絶望となってしまった。その後もレンタル生活が続き、2014年1月末にアーセナルを退団。イングランド2部バーンズリーへと新天地を求めたが、ここでも出場機会に恵まれなかった。

その後はロシアへ向かい、ウファやアルセナル・トゥーラでプレーするも出場機会は限定的で、スウェーデンやキプロスでプレーしたのち、2018年夏からはついに無所属の身に。精神面の未熟さや荒れた私生活を改善できずブレイクのチャンスを逃し続けた結果、2019年3月に現役引退を決断した。

ジョゼ・バクスター(イングランド)
生年月日:1992年2月7日
現所属クラブ:なし(2021年8月現役引退)

有望株の転落の典型的な例として、ジョゼ・バクスターの名が取り上げられることは多い。6歳でエバートンに入団し、同窓のウェイン・ルーニーよりもポテンシャルを高く評価されたこともあった。2008/09シーズンには16歳191日でクラブ最年少デビュー記録を樹立し、将来を嘱望されていた。

ところがエバートンではミケル・アルテタやマルアン・フェライニの地位を脅かすことができず、しばらく控えに甘んじて武者修行も経た上で2012年夏に同クラブを退団。イングランド3部のオールダム・アスレチックに移籍し、翌シーズンには同じリーグ内のシェフィールド・ユナイテッドへ赴いた。そこで大きな問題が起きる。

2015年5月に薬物使用で5ヶ月の出場停止処分を受けたバクスターは、翌年2月にも再びコカインの陽性反応が出たため、2年間の出場停止処分を食らうことになる。その後、現役続行を目指した元逸材に古巣エバートンが救いの手を差し伸べて2017年に再契約のチャンスが与えられる。2017/18シーズンはトップチームで出番なく、1年でエバートンを退団。再び4部相当に降格していた古巣オールダムでプレーしたのち、同4部のプリマス・アーガイルに所属していた。その後は北米MLSの下のカテゴリにあたる、アメリカ2部相当のUSLチャンピオンシップ、メンフィス901で、エバートン時代の大先輩ティム・ハワードとともにプレー。2020年12月に退団すると、無所属の状態が続き2021年8月に現役引退となった。

ハキム・マストゥール(元モロッコ代表)
生年月日:1998年6月15日
現所属クラブ:無所属

かつて超絶テクニックでSNS上を沸かせた天才は、23歳にして忘れられた選手となってしまった。2014年5月に15歳で名門ミランのリーグ戦にベンチ入りするなど将来を嘱望され、同年夏に正式なプロ契約を締結。順風満帆かに思われた。

ところがなかなかトップチームには定着できず、スペインのマラガやオランダのズウォレへの期限付き移籍を経験するも、公式戦ではほとんど出場機会なし。結局2017年夏にミランへ戻り、2018年夏には契約満了にともなって退団。ギリシャのPASラミアに加入することになる。

しかし、そこでもクラブに無断でイタリアに戻って負傷の治療をするなど奔放さは相変わらず。公式戦の出場機会もほとんどなく、2019年3月、入団から1年経たずに放出される。結局、21歳にしてキャリア2度目の無所属期間を経て同年10月にイタリア3部のレッジーナに拾われた。しかし、2021年7月にレッジーナを退団すると所属クラブがなく無所属に。一時はモロッコ代表で10番も背負った神童は、“元神童”と表される存在になりつつある。

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