フットボールチャンネル

日本代表 2年前

パラグアイ相手ならできて当たり前。サッカー日本代表、鎌田大地が明かす強豪国と渡り合うイメージ「ブラジルレベルになると…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka

「イージーミスがすごく多かった」

0602haraguchi_getty
【写真:Getty Images】



 その現実を原口と鎌田もよく分かっているはず。それでも原口は「ウニオンでやってきたものをうまく出せれば、主力3人とも共存できる」と6月シリーズを前に自信をのぞかせた。「ここからが本当の勝負」と考える彼は4連戦に向けて自分がどう動き、チームに何をもたらすべきかをイメージし、用意周到に準備してから挑んだのだろう。序盤から攻守両面で非常に強度の高い動きを見せつけ、中盤のダイナモとしてチーム全体を動かした。

 そんな31歳のベテランに鎌田も呼応。左のやや高めの位置を取りながら相手と駆け引きしつつ、浅野や三笘と絡んで攻撃を仕掛ける姿勢を鮮明に見せたのだ。

「僕と元気君のところは(相手の)映像を見る限りでは空いてるから、そこを狙おうという感じだった。前半はインテンシティも高くて悪くなかったけど、自分たちは久しぶりの代表戦だし、いつも出てるメンバーじゃなかったこともあって、イージーミスがすごく多かった」と鎌田は反省の弁を口にしたが、時間を追うごとに遠藤を含めた3人の距離感が改善され、関係性も向上していく。原口がサイドに展開し、鎌田がゴール前に侵入するような形も何度か見られ、攻撃にも厚みがもたらされたのは間違いない。

「試合を進めていくうえでスペースも空いたし、元気君のアシストで先制点も生まれたし、最初の時間帯を耐えてできたからこそ、ゴールも取れる展開になった」と鎌田も振り返った。その成果が先制点を演出した原口のスルーパス、鎌田が奪った2点目という形で結実した。特に後者は背番号9が右を上がってきた山根視来にパスし、堂安律に渡った瞬間、自らが一気にゴール前に飛び出してヘッドで決めた形。お膳立てとフィニッシュの両方で力を出せる鎌田らしさを遺憾なく示したと言っていい。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top