「1-0なのに満足していた」川崎フロンターレ、連覇した過去2年との最大の違いは? 痛恨ドローで遠のく首位【コラム】

2022年06月26日(日)10時05分配信

シリーズ:コラム
text by 元川悦子 photo Getty Images
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「1-0なのに満足していた」



「1点差だとアクシデントもあれば、セットプレー1発もカウンターもある。2点目(の重要性)をずっと言い続けていましたけど、それが取れず、勝ち点1になってしまった」

 鬼木監督が悔やんだように、確かに2点目3点目を貪欲に奪いに行く迫力と勢いが見られなかった。それが圧倒的強さを見せた過去2シーズンとの最大の違いではないか。先制弾の山根も「1-0なのに(ボールを)握っていることで満足していた」とズバリ指摘していた。

 その意識が今季ゴール数の伸び悩みにつながっているのかもしれない。川崎の18戦終了時点の総得点は26。これは首位・横浜より10少なく、鹿島アントラーズを下回っている。

 個人得点ランキングを見ても、上位クラブには得点王争いを繰り広げる人材が何人かいる。鹿島には10点の上田綺世と6点の鈴木優磨、マリノスには7点のアンデルソン・ロペスと6点の西村拓真がいるが、今季の川崎は家長とマルシーニョの4点が最高。頼みのレアンドロ・ダミアンや小林悠は数字の伸び悩みが気がかりだ。山根が3点と気を吐いてはいるものの、彼も交代を強いられる状態で今後が不安視される。

 中盤の脇坂や遠野ら含め、もっともっとゴール前へ入っていく意識を持たないと、状況は変わらない。ボールを保持しつつ、長短のパスをつなぎながら攻めるという川崎のスタイルを貫くことは間違いなく重要だが、ゴールがついてこなければ意味がない。それをキャプテン・谷口中心にチーム全体に再徹底させることが肝要だろう。

 いずれにしても、今の川崎が頭抜けた強さを誇った過去2年間とは趣が異なるのは事実。厳しい現実を全員が再認識して夏場の戦に向かっていく必要がある。若手の橘田健人や遠野などは「強い川崎」しか知らない。ゆえに、彼らを含めて苦境をいかに打開していくかをみんなで考え、解決策を導き出す作業が求められてくるのだ。

「この夏場に突き抜けたチームがそのまま優勝する。そこは強烈に意識してやりたい」と山根も強調したが、今はまさに勝負どころ。ここから巻き返すためにも、彼らには王者のプライドを持ちながらも原点回帰を図ってほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

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