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Jリーグ 2年前

なぜJ2で昇格組が健闘しているのか? ロアッソ熊本といわてグルージャ盛岡の対照的なアプローチ【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

大木武監督が採る起用法とは?


【写真:Getty Images】



 彼は経験豊富な戦術家であり、2017年のFC岐阜では中央大学から新卒の古橋亨梧を信頼してプロ1年目から全試合に先発出場させた指揮官でもある。チームに調整が必要とされる場合には、どこを変えるべきかしっかりと理解していることも示してきた。

 例えば栃木SCに2-0の勝利を収めた先週末の試合では先発2人の入れ替えが行われた。チームに多少のフレッシュさを加える必要が生じてくれば、伊東俊や竹本雄飛、田辺圭佑、阿部海斗といったメンバーにも長めの出場時間が与えられている。

 それでもロアッソは、ここまでリーグ戦30試合を戦って25人の選手しか起用していない。500分間以上プレーしている選手はわずか14人だ。

 一方でグルージャは、全く異なるやり方で戦ってきた。秋田豊監督は大幅なローテーションを行っており、今季同じスタメンを2試合連続で選択したことは一度もない。過密スケジュールの中で選手のストレスや負担を管理し、メンバー全体の力を最大化することに重点を置いている。

 結果として34人もの選手たちがここまで試合に出場しており、そのうち25人が500分間以上プレー。さらに中野雅臣と田平起也の2人も、それぞれあと8分と19分で合計500分の節目に届く。

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