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Jリーグ 2年前

なぜJ2で昇格組が健闘しているのか? ロアッソ熊本といわてグルージャ盛岡の対照的なアプローチ【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

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J2昇格1年目の2チームが、対照的な戦略でJ2リーグを戦っている。大木武監督率いるロアッソ熊本はJ1昇格プレーオフ圏内の6位につけており、いわてグルージャ盛岡も残留が十分可能な位置につけている。両者の健闘ぶりの理由は何か。両指揮官の起用法は対照的で、非常に興味深い。(文:ショーン・キャロル)


J2リーグ健闘する昇格組


【写真:Getty Images】

 近年のJリーグでは、昇格直後のチームが新たなカテゴリーに驚くほど順調に適応してしまうことがある種の定番となっている。ここまでの2022シーズンも例外ではない。

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 例えば、Jリーグ初参戦のいわきFCはJ3で現在首位。J3昇格1年目にして惜しくも最終節でトップ2入りを逃した昨季のテゲバジャーロ宮崎に続く戦いぶりだ。

 最終的にテゲバジャーロは優勝したロアッソ熊本と勝ち点1ポイント差、2位のいわてグルージャ盛岡とは得失点差わずか2点差という成績だった。その熊本と岩手の2チームも、今季の2部リーグでここまで着実な戦いぶりを見せてきた。とはいえ、両チームのやり方は大きく異なっている。

 ロアッソはJ2の中でも特に一貫した顔ぶれで戦っているチームだ。大木武監督は、ペップ・グアルディオラのように考えすぎるメンバー選びをすることは一切無く、単純に重要な核となる選手たちを信頼して毎週末ピッチに送り出している。

 菅田真啓は警告累積のため今週末のヴァンフォーレ甲府戦に出場停止となったが、前節までは河原創とともに全試合フルタイム出場を続けていた。大木監督は6月5日から7月30日までに行われた10試合にほぼ同じスターティングイレブンを続けて起用しており、ロアッソはこの時期にプレーオフ進出を争う順位を固めてきた。

 だからといって大木監督が、チームに対して怠惰であったり消極的であったりするアプローチを取っているというわけではない。

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