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Jリーグ 2年前

「目指している展開ではない」。それでもなぜ川崎フロンターレは勝てたのか? 鹿島アントラーズ撃破で見えた3連覇の可能性【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

手を緩めない川崎フロンターレに対して鹿島アントラーズは…



 次なるビックチャンスは14分、左サイドで仕掛けたマルシーニョがピトゥカに倒され得たFKのシーン。キッカーを担ったのは、名手・脇坂だ。

「遠目のセットプレーだったんで、思い切りいこうと。選択肢としては中に合わせるのもありかなと考えたけど、最近はニアを狙うシュートを打てていたし、GKが少しニア寄りに立っていたので、1本目だし思い切ってファーを狙ってみようと思った」と言うように、背番号14が放った右足シュートは鋭くネットを突き刺し、早々と2点をリードするに至った。

 この後も鹿島のバックパスのミスからマルシーニョが決定機を迎え、脇坂が鋭い推進力を見せてフィニッシュに持ち込むなど、さらにゴールが生まれそうなムードも漂った。この日の鹿島が4-3-1-2で挑んできたこともあり、インサイドハーフの脇坂が相手アンカーのピトゥカの脇を突いて前線へ飛び出していく場面が多く作れたのも、序盤の猛攻につながったと言っていい。

 けれども、前半の飲水タイムの後から鹿島は修正を図ってくる。徐々に主導権を握り返し、ポゼッション率を高め、敵陣に攻め込む回数を増やしていく。前半終了時点ではシュート数こそ3と川崎の半数にとどまったものの、ボール支配率62%で走行距離やパス成功率のデータでも上回るなど、確実に巻き返しつつあった。

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