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ドイツの「ガラスの天才」5人。栄光と苦悩…世界最高級の才能も怪我に泣いた男たち

シリーズ:ガラスの天才5人 text by 編集部 photo by Getty Images

MF:セバスティアン・ダイスラー(元ドイツ代表)

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【写真:Getty Images】


MF:セバスティアン・ダイスラー(元ドイツ代表)
生年月日:1980年1月5日
ドイツ代表歴:36試合3得点8アシスト

 「もう自分の膝が信じられない」。この言葉を残し、セバスティアン・ダイスラーは27歳の若さで現役を引退した。類まれな才能がありながらも度重なる膝の怪我とうつ病により、彼のキャリアは短いものとなってしまった。

 1998/99シーズンにボルシアMGでプロデビューを飾ると、翌シーズンにヘルタ・ベルリンへと移籍。スピードを活かしたドリブル突破と精度の高いキックで瞬く間に評価を上げると、ユーロ2000(欧州選手権)にはチーム最年少の20歳という若さで全3試合に出場した。

 しかし、ダイスラーは毎年のように手術を必要とする大怪我を繰り返した。98年には右膝の前十字靭帯断裂と半月板損傷、99年に右膝の前十字靭帯断裂、00年に鼠径部の炎症、01年に右膝の被膜損傷、02年の日韓ワールドカップの直前に右膝の軟骨損傷、06年のドイツワールドカップ直前に再び右膝の軟骨損傷と、キャリアを通じて6度の手術を余儀なくされた。そのうち5度が膝の手術であり、引退時に残したコメントが彼の心の叫びであった。

 また、両親の離婚や恋人の体調不良などプライベートでも問題を抱え、03年と06年の2度に渡ってうつ病を発症。心身ともに計り知れないダメージを負ったダイスラーは、07年1月にスパイクを脱いだのだった。

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