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水沼宏太「すべてはマリノスのために」。横浜F・マリノス、8日のガンバ大阪戦で3年ぶり優勝も

text by 編集部 photo by Yokohama F.Marinos

横浜F・マリノス 最新ニュース


【写真提供:横浜F・マリノス】



横浜F・マリノス、3年ぶりJ1優勝に王手

 横浜F・マリノスが3年ぶりのリーグ優勝に王手をかけている。



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 マリノスが8日に行われる明治安田生命J1リーグ第32節のガンバ大阪戦に勝利し、同じ時間に行われる試合で川崎フロンターレが清水エスパルスに引き分けるか敗れれば、その瞬間にマリノスのリーグ優勝が決まる。

 他会場の結果が関係しているとはいえ、タイトルがかかった一戦には大きなプレッシャーがかかってくる。しかし、マリノスの選手たちの心理状態は普段と大きく変わらない様子だった。4日にオンラインで取材に応じたMF水沼宏太は「そこまで特別な意識はないかなというのが正直なところ」だと語る。

「1試合1試合全力で戦うことを考えてここまできました。なので、そこのスタンスは絶対に変える必要はないというのを、選手たちも、監督も、スタッフもみんな感じていると思います」

 マリノスはガンバ戦からホーム3連戦となり、本拠地・日産スタジアムで自力優勝を決められる大きなチャンスがある。「目の前の1試合に全力で」を合言葉に勝利を積み重ねてきたからこそ、3年ぶりの歓喜をホームに集結したファン・サポーターとともに分かち合えるかもしれない。今季はホームで無敗が続いており、その強さが優勝を後押ししそうだ。

 水沼も「選手たちはホームにものすごいアドバンテージがあると感じています」と明かし、次のように語る。

「今年は声出し(応援)が少しずつ再開して、マリノスのチャントを初めて聞いた選手たちもたくさんいました。『すごく感動した』というのはみんなが常々話していますし、日産スタジアムで作られる雰囲気は僕らマリノスの選手たちにとって、すごく大きなものがある。

ここから優勝に向けて3試合連続でホームで戦えるのは、自分たちにとって大きなパワーにしかならないので、すごく楽しみです。とにかく自分たちのベストを尽くせるように、1試合1試合全力でやっていくことができればいいんじゃないかと思います」

 3年ぶりのリーグ優勝に向かって進んでいくために、改めて水沼が口にしたのは「すべてはマリノスのために」という言葉。この数年、ここぞの場面でマリノスファミリーの一体感を作り出す原動力となってきたキーワードでもある。

「僕が加入してからすぐコロナ禍になってしまって、ファン・サポーターの皆さんをはじめ、たくさんの方々がいろいろな協力や我慢をして、すごく大変な約2年間を過ごしてきました。

(今年は)我慢してきたことがちょっとずつ実って、(スタンドでの)声出しがOKになったり、それぞれのクラブが自分たちの色を出していけるようになったのは、Jリーグ全体を見てもすごくよかったと思っています。

マリノスに関しては、日産スタジアムや三ツ沢球技場で作り出される雰囲気には特別なものがある。本当に僕たちの力になっていますし、(声出し応援の復活は)みんなが待ちに待っていた瞬間でした。そのシーズンにこうやって優勝争いができていることは、すごく幸せなことだなと改めて思っています。

ガンバ戦に関しては声を出すことはできないみたいですけど、積み重ねてきてたものがあって、手拍子でもどれだけ自分たちの力になるのか選手たちはわかっていますし、一緒に戦ってほしいなと思っています。

ホーム3連戦で(リーグ優勝を)決めるチャンスがありますけど、そこまで特別に意識しすぎず、1試合1試合に向けて全力で。選手もスタッフも、クラブのみんなも、ファン・サポーターの皆さんも、全員が『すべてはマリノスのために』とにかく一体感を持ってやることが、笑顔で終わるために必要なんじゃないかと思っています」

 水沼自身も今年は「すべてはマリノスのために」を昨年までよりも強く意識して戦ってきた。終盤に失速してフロンターレにリーグタイトルを奪われ、悔しい思いを味わった。今年こそはマリノスの選手として頂点に立つために、胸に秘める思いは誰よりも熱い。

「自分の武器を出していく。いつもそれだけを考えてやっているからこそ、ここまで走って来られたかなと思います。昨年は本当に悔しい思いをして、(他クラブから)いろいろなオファーをもらって、(将来の選択について)すごく考えたシーズンの始まりにはなりましたけど、とにかく『すべてはマリノスのために』という気持ちでやっていこうと決めて、ここまでやってきているので、最後まで突っ走って、やりきりたいなと思います」

 マリノスにとって3年ぶりのリーグ優勝が決まる可能性があるガンバ戦は、日産スタジアムで8日の14時キックオフ予定となっている。満員のスタジアムで歓喜の瞬間を迎えることができれば、Jリーグの2022シーズンを象徴する最高の一場面となるはずだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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