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「1試合で全てが変わる」サッカー日本代表、ボランチ2人が模索する最良の関係性とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

鎌田大地のボランチ起用は?



 本人は「先発できる? らしいです」と冗談交じりに笑い、「試合から2週間離れただけで、動いたりボールを受けたりもしていた。僕は痛みに強いタイプなんでそこまで痛いとも感じない」と前向きにコメントした。

 ただ、本当にどこまでフル稼働できるのかはしっかり見極めるべき点。仮に田中が90分間は難しいとなると、センターバック(CB)で先発予定の板倉のコンバート、あるいはトップ下の鎌田大地の抜擢も考える必要がある。それは森保監督が前日会見でも語っていた点だ。

 特に鎌田に関しては、クラブで3列目を主戦場にしていて、ダイナミックな攻め上がりから攻撃に厚みをもたらし、ゴールを量産しているという事実がある。

「明日の試合でどこまで試せるか分かりませんが、鎌田に関しては3列目での組み立て、相手の攻撃を止めて前線の攻撃に絡んでいくというクラブでやっていることを我々にも生かせるようにしてほしい」と森保監督も有力なオプションとして考えている様子。鎌田自身もその起用法はやぶさかではないだろう。その反面、鎌田は代表のトップスコアラー。後ろに下がると得点チャンスも減ってしまう。それは日本代表にとって芳しいことではないだけに、難しい選択になってきそうだ。

 板倉にしても、2カ月ぶりの実戦復帰で試合勘を取り戻すことが先決。それが叶ったとしても、冨安の状態が不安視されるだけに、やはりDFをメインに考えていくしかない。ジュビロ磐田時代にボランチもやっていた伊藤洋輝らを含め、誰を入れるにしても「帯に短したすきに長し」といった状態になってしまうのは確かだ。

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