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スペイン代表は「間」を意識して背後を突く。サッカー日本代表が狙うべきポイントは?【後編】

シリーズ:コラム text by 渡邉晋 photo by Getty Images

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 サッカー日本代表は、FIFAワールドカップカタール・グループE第3節でスペイン代表と対戦する。コスタリカ代表を7-0で撃破し、ドイツ代表とも激しい攻防を繰り広げたスペイン代表は、どのような特徴を持つチームなのか。かつてベガルタ仙台などで監督を務め、2022シーズンからピーター・クラモフスキー監督率いるモンテディオ山形でコーチを務める渡邉晋氏が、スペイン代表の戦術的特徴と日本代表が狙うべきポイントを分析する。(文:渡邉晋【モンテディオ山形コーチ】)

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マンツーマンで嵌められたらどうする?


【写真:Getty Images】

 出し手のスキルにも巧みさが内包されています。まずはボールの置き所が良い。複数あるパスルートに対してどこへでも蹴れる場所に置くから相手は予測し辛い。加えて、相手を外して自分で運び相手を置き去りにすることもできるから、相手は不用意に飛び込めない。こうしてまずは局面で、少しずつ相手に迷いを生じさせプレスを無力化させるのです。

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 勿論こうした技術は簡単ではありません。しかしこれができないと、この配置の旨味が苦味に変わってしまう。スペイン代表の選手達が事もなげにこうしたプレーをし続けることにこそ、技術の高さが凝縮されているのです。

 配置のずれが少ないと先に述べましたが、時には局面でローテーションを行うことで相手を外していくシーンも見受けられます。IHがCBの脇に下り、SBが高い位置へ。WGが中に入ることで相手の守備の矢印をずらしていくやり方です。マンツーマン気味に嵌めてくる相手に対してはこの方法で前進していくことも行っていました。

 WGが高い位置を取れなくなるという弊害もありますが、相手のプレスを回避して前進していくという観点から見れば効果的でしょう。オプションの一つであると推測しますが、相手を観て立ち位置を変えるこうした行動が実にスムーズで合理的でした。

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