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Jリーグ 1年前

横浜F・マリノスが見せた本質的な強さ。喜田拓也の割り切りと渡辺皓太のチャレンジ【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

渡辺皓太が思い描くチャレンジ


【写真:Getty Images】

「自分が点を取りに行ってバランスを崩してはいけないし、充実している攻撃陣に気持ちよく、うまくプレーさせることでチームとしての力は増すと思っている。でも、試合によっては自分たちが多少無理して攻撃参加しないと崩れない試合もある。そういったところを見極めてチームをコントロールしながら一発で決められるようになれば、もう一個上のステージに上がれる。それが自分には足りないと思うし、今シーズンどれだけやれるのかというチャレンジを楽しみにしている」

 結果的に44分の場面では、インターセプトした渡辺が即座に入れたパスが相手に渡り、カウンターを浴びて失点してしまった。ただ、これが通っていればビッグチャンスにつながっていただけに、渡辺の判断を一概に否定することもできない。

 攻撃的なスタイルがマリノスの代名詞だが、文字通りかじ取り役のボランチが絶妙な調整でバランスを取っている。ボランチの一瞬の判断が勝負の行方を左右するだけに、両ボランチの言葉は重い。

「去年優勝したことで自信になったし、最後の方(終盤戦)のパフォーマンスを自分の平均というか普通ぐらいにしたい。あの年だけできていたと言われるのは簡単だし、ここからどんどん一つずつプラスしていって、いろんなことができる選手になりたいし、チームに欠かせない存在になりたい」

 昨季の終盤で輝きが増し、岩田智輝が抜けた今季はさらに重要な戦力となるであろう渡辺が今季にかける思いは強い。喜田のようにバランス感覚を大事にしつつ、渡辺のように虎視眈々とチャンスを狙う。このバランスこそがマリノスが今季も勝ち続けるためには必要になるはずだ。

(取材・文:加藤健一)

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