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Jリーグ 1年前

W杯を経験した町野修斗の執着。「ゴールは当たり前」サッカー日本代表監督が評価する2つの役割とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

ゴールを決めても納得いかず。悔しさの理由は?



 これで試合は振り出しに戻ったが、湘南の攻撃はより一層、加速する。前半23分に相手左SB和田拓也がバックパスを自陣ゴールに蹴り込むというまさかのオウンゴールも生まれ、2-1と逆転に成功。町野自身も勢いに乗り、37分の左CKからの決定機や39分の大橋のラストパスからのフィニッシュのシーンなど複数のビックチャンスを迎えた。

 だが、それを全て決め切れないのが、彼の現在地でもある。

「前半はもっと点を取れた。2、3点は行けましたね。ホントにもったいない」と本人も反省しきりだったが、湘南にとってはこの前半の拙攻が後に響く形になってしまった。

 実際、後半に入ると、横浜FCは一気に巻き返しを図ってきた。縦のボールを増やすと同時に途中交代の10番・カプリーニが起点を作り、グイグイと前線へ迫っていく。湘南も粘り強く応戦していたが、残り10分を切った後半38分にエース小川が左CKから打点の高いヘッドをお見舞い。2-2に追いつかれてしまう。町野としても代表監督が見守る御前試合でライバルFWに結果を出されるというのは当然、納得いかなかっただろう。

「今日は決めきるところができたら完璧でしたね」と勝ち点2を失う結果になった今季序盤の神奈川ダービーに悔しさをにじませた。

 こうして勝ち点1を分け合った格好だが、町野自身としては、小川とは全く異なるタイプだと90分間通して印象付けることができたという意味で収穫はあったと言っていい。

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