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京都サンガは今までと違う。許容されたリスクと大人の対応「小手先では絶対に裏返せない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

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明治安田生命J1リーグ第4節、湘南ベルマーレ対京都サンガF.C.が12日に行われ、0-2で京都が勝利した。平均年齢が26歳に満たない若い京都は、紆余曲折を繰り返しながら成長する。曺貴裁監督と今季からキャプテンを務める川﨑颯太は、スタイルの浸透と成長を実感している。(取材・文:加藤健一)


京都サンガは昨シーズンとは違う


【写真:Getty Images】

 1点をリードした74分、京都サンガのアンカーを任される川﨑颯太は最前線を走っていた。

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 湘南のCKを跳ね返し、川﨑は出足良くルーズボールを前方へ蹴りだした。これを山田楓喜が受けて前に運び、左を走るパトリックへスルーパスを送る。パトリックはファウル覚悟で寄せてきた平岡大陽を吹っ飛ばしてゴール前にグラウンダーで折り返す。ゴール正面で川﨑がスルーすると、ファーで待ち構えていた山田が利き足の左足で冷静に決めた。

「自分の目の前にボールが落ちたときに、クリアすることもできたと思うんですけど、前にかなりのスペースが見えた。自分も疲れている時間帯ですけど、正直この1本ならいけると思った」

 1点リードで残り時間は20分を切っていた。他のチームであればセーフティーに大きく蹴りだして急場をしのぐこともできたが、川﨑を含めた京都の選手は「自分たちのスタイル」を貫くことを選んだ。

 いずれも無得点で開幕連敗スタートとなって迎えた第3節、FC東京をサンガスタジアム by KYOCERAに迎えた京都は、75分、91分にゴールを奪っている。試合を決定づける2点目は、深い位置まで攻め上がったサイドバックの白井康介が倒されて得たPKから生まれている。

「去年だと1点取ったら残り30分ずっと自陣に押し込まれてクリアしかなかった。けど、この前の東京戦も最後まで相手にプレスをかけて、できるだけ敵陣にいられるようにというのが選手のメンタリティーが出てきたのは非常に大きい」

 YBCルヴァンカップを挟んでリーグ戦連勝を果たした湘南戦を経て、曺監督は2点目を狙いに行く選手たちの姿勢に成長の手応えを感じている。

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