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Jリーグ 1年前

京都サンガは今までと違う。許容されたリスクと大人の対応「小手先では絶対に裏返せない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「小手先では絶対に裏返せない」



「相手が死に物狂いでかかってきたときに小手先では絶対に裏返せないというのを、僕も改めて感じましたし、小手先感が開幕戦で出たことが問題だった」

 0-2で敗れた鹿島アントラーズとの開幕節を、曺監督は4週間後にそう振り返る。そして、システムや戦術といったものの前に大事なことがあると言う。

「ワールドカップやUEFAチャンピオンズリーグを見ていると、サッカーの戦術的な進歩、相手との騙し合いは間違いなく進んでいますけど、足が止まったほうが試合に負けると思っています」

 テクノロジーの発展により分析の高度化は加速したが、それも「足を動かす」という大前提があってこそ活かされる。そういった意味で、インテンシティーの高さを武器とする、武器とするというよりはインテンシティーの高さが大前提として根付く湘南と京都の一戦は、もちろんレベルの違いこそあれど、ワールドカップ決勝のように観る者の心を動かす要素があった。

 この日にメンバー入りした18人の平均年齢は、35歳のパトリックを含めて25.44歳だった。「失敗もたくさんしてきて、今日みたいな試合は昨年の初めではなかなかできなかったと思う。平均年齢25歳くらいのチームですけど、よく頑張ったと思います」と曺監督は選手を称える。

 文化的な遺産を数多く持つ町にある若いチームは、紆余曲折を繰り返しながら成長している。

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