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Jリーグ 11か月前

清水エスパルスは“ブースト”の燃料切れか、7年前の再現か。熱血監督が追求する最適解【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「まだまだぬるい体質が残っている」


【写真:Getty Images】



 しかし、好事魔多し、というべきか。敵地フクダ電子アリーナへ乗り込んだ17日のジェフユナイテッド千葉戦で、清水は一敗地にまみれた。前後半を通じて13本のシュートを放つもゴールは遠く、逆に終了間際の87分にロングスローから一瞬の隙を突かれて決勝点をもぎ取られた。

 就任後でリーグ戦の初黒星を喫した要因を、秋葉監督は「ワンプレーの重み、といったものがまだまだ足りない」と指摘。喜怒哀楽のなかで「怒」を、愛を込めて選手たちへぶつけている。

「勝つための執念や勝ち点を持って帰るだけのタフネスさ、何がなんでも、という執念が足りない。まだまだぬるい体質が残っている、もう一度、性根を叩き直さないと町田にもやられる」

 中3日で再び敵地・町田GIONスタジアムへ乗り込んだ21日の大一番。キックオフ前の段階で首位を快走する町田の総失点がリーグ最少の「7」を、8位だった清水の総得点が同じく最多の「33」を記録していた両チームの激突は、究極の「タテホコ対決」として注目を集めた。

 J1昇格を手繰り寄せるうえで、青森山田高の前指揮官、黒田剛新監督のもと、堅守をベースに安定した戦いを続ける町田は必ず乗り越えなければいけないライバルへと変貌を遂げていた。しかし、前述したように結果は1-2で屈し、千葉との前節に続いて手痛い連敗を喫した。

 9位に後退し、町田との勝ち点差も「14」に広がった試合後の会見。秋葉監督は前節から一転して「怒」の感情を自らへ向け、選手たちをかばう形で敗れた責任を一身に背負った。

 そして、選手たちへの取材エリアでは、会見で指揮官が発した「采配ミス」や「ヘボ監督」といったキーワードが問われた。トップ下として先発フル出場し、42分にはカウンターからMF中山克広の同点ゴールをアシストした元日本代表の乾貴士は、問題はそこではないと努めて前を向いた。

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