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Jリーグ 2年前

浦和レッズはどう変わる? 2トップ、3バック…。ACL後の試行錯誤と後半戦の起用法【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

現時点での序列を整理すると…


浦和レッズの現フォーメーション



▽GK
西川周作(鈴木/牲川/吉田)

▽DF
酒井宏樹(馬渡/明本/宮本)
アレクサンダー・ショルツ(岩波)
マリウス・ホイブラーテン(犬飼/知念)
明本考浩(荻原/大畑)

▽MF
伊藤敦樹(平野/堀内)
岩尾憲(安居/柴戸)
関根貴大(リンセン/小泉/シャルク)
安居海渡(早川/関根/小泉)
大久保智明(モーベルグ/小泉/松崎)

▽FW
興梠慎三(カンテ/リンセン/髙橋)

 ACLファイナル前との変化は2列目の並びと序列だ。安居がトップ下のファーストチョイスになっていること、ファイナル前はトップ下か左だった大久保が、右でモーベルグと競争する構図になっている。ただ、大久保とモーベルグに関しては序列がはっきりしている訳ではなく、スターターとジョーカー(クローザー)という関係になっている。

 浦和の得点傾向を見ると前半5得点、後半15得点と大きく差があり、スタメンの選手がスコアレスの同点以上のスコアでつなぎ、後から出てくるメンバーが勝負を仕留めるという構図だ。安定して勝ち点3を積み重ねるには前半の得点力をもっと高める必要はあるが、特にオフェンシブなポジションは途中投入の選手の方が得点チャンスがあるのは確かだ。

 ボランチに関しては伊藤と岩尾のファーストセットはファイナル前と同じだが、4-4-2で安居と伊藤のコンビを使うなど、新たなトライが見られる中で、現在は過渡期と言えるかもしれない。無論、戦術的に機能している伊藤と岩尾のコンビを放棄する必要は全くなく、ただ、オプションを増やしていかないと相手の対策、そして前半からリードを奪うゲームプランを描きにくい。安居がボランチに下がる場合、横浜FC戦の後半でも見られたような2トップがファーストチョイスになりうる。スコルジャ監督が言うところの“8番”、ボランチというよりはセントラルMFという表現が適しているかもしれない。

 FWは1トップなら興梠が鉄板に近いが、36歳という年齢もあり、ここまでリーグ戦の全試合に出ており、12試合でスタメンというのは負担が大きすぎるように思う。今後はカンテがそこを軽減する存在になりそうだが、髙橋利樹がコンディションを上げてきており、割って入る可能性もある。2トップの場合はリンセンも得意の動き出しなどで違いは生み出せるので、左サイドとの併用で見ていくことになりそうだ。

 最終ラインはかなり序列がはっきりしているが、先に書いた通りボランチに頼らないビルドアップを構築するために、トップ下のいない4-4-2に適したセットというのもあるのではないか。例えば4-2-3-1では左サイドバックの3番手である大畑をビルドアップの要として再評価すれば、明本、荻原との差別化もできる。また現状、ショルツとマリウスのセットが動かせなくなっているセンターバックも、ビルドアップの繋ぎにやや課題のあるマリウスに代えてショルツを従来の左に戻し、右に岩波を入れる布陣も今後は使っていきたい。

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