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日本代表 11か月前

久保建英と三笘薫の以心伝心。サッカー日本代表ですれ違い続けた2人の針が重なった瞬間【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by NN

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 サッカー日本代表はキリンチャレンジカップ2023でエルサルバドル代表と対戦し、6-0で勝利した。この試合久保建英も1得点2アシストと結果を残し、三笘薫は久保建英のゴールをアシストしている。世界最高峰の舞台で輝く2つの才能が、久々に同じピッチで解き放たれた瞬間だった。(取材・文:藤江直人)


三笘薫「いい位置にパスを出すことだけ考えていた」


【写真:NN】

 1年あまりの時空を超えて、ホットラインが再び開通した。

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 日本代表が2点をリードして迎えた25分。ペナルティーエリア内の左側でボールを持った三笘薫が、右斜め前方に見えるエルサルバドル代表のゴールへ体を向けた。しかし、シュートを放とうにも選択肢が思い浮かばない。

 考えられうるシュートコースがほとんどふさがれていた状況で、三笘はノールックの体勢から左足で優しくボールにタッチ。右斜め後方へ緩めのパスを供給するプレーを選択した。

 ボールの行き先はペナルティーエリアのやや外側。そこには久保建英がフリーの状態でボールを要求していた。しかも、久保の眼前にはゴール右隅までのシュートコースが、まるで花道のようにポッカリと開いていた。相手ゴールからあえてボールを遠ざけた意図を三笘はこう語る。

「建英が見えていたので、左足で打てるように、いい位置にパスを出すことだけを考えていました」

 以心伝心のプレーだったと、久保も屈託のない笑顔を浮かべながら振り返る。

「あそこが僕の一番自信があるところなので。まあ、(自分のなかの)オッズ通りなのかな、と」

 利き足の左足からダイレクトで放たれたシュートが、鋭い弧を描きながらゴール右隅へと飛んでいく。威力やスピードよりもコントロールを重視した、久保本人をして「狙い通りでした」と言わしめた一撃が、ダイブした相手キーパーの指先をかすめてサイドネットを揺らした。

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