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Jリーグ 9か月前

サンフレッチェ広島11番が求める「必然性」。満田誠が新戦力と融合するには【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「サンフレッチェ広島の心臓」

サンフレッチェ広島MF満田誠
【写真:Getty Images】



 後半に入ると広島はソティリウに変えてドウグラス・ヴィエイラを投入。さらにマルコス・ジュニオールとナッシム・ベン・カリファを交代し、スキッベ監督も攻撃に変化をつけようと試みた。

 しかし、徐々に柏の迫力に押されるようになり、守勢に回る時間帯が長くなる。満田も攻撃にかかわる場面が減り、ラスト5分というところでは右サイドへ移動。消耗の激しい時間帯に一番ハードワークを強いられるポジションでのプレーを余儀なくされた。

「きついのはきついですけど、他の交代との兼ね合いだったり、点を取りに行かなきゃいけない時間帯だということもあって、そういうことになったのかなと。ピッチに残ったからには自分も最後まで走り切らなきゃいけないなと思いました」

 彼は最後まで献身的姿勢を貫き、柏が小屋松知哉ら走力の高い選手を投入してきた同サイドの守備に奔走した。

 結局、試合はスコアレスドローで終了。広島としては3連勝を逃したが、「今日の試合は引き分けが妥当だった」とスキッベ監督も発言。両者ともにタフに戦い、手堅く守り切ったゲームだったと言っていい。

 ボランチと右サイドといったゴールから遠い位置でプレーした分、満田本来のアグレッシブさや推進力、ゴール前の怖さはやや影を潜めたが、中盤で起点を作り、攻撃をお膳立てしたり、守備面でもしっかりと体を張るなど、要所でいい仕事をしていた。「広島の心臓」と言える存在感を示しており、「満田がいなければ戦えない」と言っても過言ではないくらいだったのではないか。

 本人も3か月間、試合から離れていた間にいろいろ思うところがあったという。

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