冨安健洋がサッカー日本代表で生きるには

「まずは彼が持っている身体的な能力、技術的な能力を全てチームに生かしてもらえればと思っています。ケガで所属チームや代表でプレーできない時期はありましたが、彼が世界のトップトップのプレミアリーグで力を発揮できているのを踏まえると、全てが日本代表のプラスになると考えています。

　彼のプレーをよりチームに生かすという意味では、攻守の切り替わった時のポジショニングの速さ、攻から守に切り替わった時のいいポジショニングと素早い判断は特に重要になると思います」

　確かに冨安がいるだけで、守備の安定感や強度が上がるだけでなく、前のつけるパスの質やタイミングもよくなるのは事実。今季アーセナルでは左サイドバックでの出場がメインだが、左右のSBをこなせる幅広い能力と戦術眼もCBに入った時に役立つだろう。

　日本代表に数々のプラス要素をもたらす冨安健洋。ドイツ戦で圧倒的な存在感を示し、「この先は代表に居続けられる」という安心感と信頼感を多くの人々に与えてくれるなら、これ以上の朗報はない。今回、ドイツ代表と再戦する日本代表が再び下剋上を果たそうと思うなら、この男の計算できるパフォーマンスが必要不可欠だ。

（取材・文：元川悦子【ドイツ】）

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