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日本代表 8か月前

冨安健洋はどう生きるか。「人生で一番タフな1年」を乗り越えサッカー日本代表に復帰【現地コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「柔軟な対応」のカギを握るのは?



「フォーメーションは4-2-3-1でスタートしたいと思います。ただ、ドイツも可変で4-2-3-1、4-3-3であったり、6月シリーズは3バックを試したり、いろいろな戦術を持って試合に臨んでくる。我々も4-2-3-1でスタートするにしても可変しながら試合を進めていけるように柔軟な対応をしたい」

 トップ下に鎌田大地、ボランチに遠藤航と守田英正を配置し、相手の攻めを消しつつ、日本代表らしい緩急のメリハリをつける効果的な攻めを繰り出したいところだ。

 そこで1つ、勝敗のカギを握るのがDF陣。おそらく今回は板倉滉と冨安健洋がセンターバックを形成しそうな雲行きだ。2017年のFIFA U-20ワールドカップの頃から共闘してきた2人だが、2018~19年にかけてA代表入りしてからは、吉田麻也の存在に加え、どちらかがケガをしていたこともあり、同時にピッチに立つ機会はなかなかなかった。

「本当に前々から『ゆくゆくは僕と滉君でやらないといけない』っていう話はお互いしてましたし、いい意味で遠慮せず高い要求がし合えると思っている。僕らがそうできれば、もう一段階、二段階、ディフェンスラインもチームも上がれる」と第2次・森保ジャパン初参戦の冨安は意欲をみなぎらせていた。

 今回、ドイツ代表の1トップに入ると見られるのは、冨安のチームメートであるカイ・ハフェルツ。その背後には、トップ下のフロリアン・ヴィルツ、右のレロイ・サネ、左のセルジュ・ニャブリが並ぶ可能性が高い。冨安らには流動的に動いてくるアタッカー陣をフリーにさせない堅守が求められてくる。

「ハフェルツは『自分にベストのポジションは10番(トップ下)』と言っていましたけど、(どこでプレーしても)いい選手であるのは間違いない。練習中も試合も高いクオリティを発揮していますし、警戒しないといけない。どこが相手だとしても無失点で抑えるのは守備陣の共通認識。それは確実に達成したいと思います」と冨安は同僚を含めたドイツの強力アタッカー陣を完封するというタスクを自身に課している様子だ。

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