間近で見る伊東純也の凄さ

　そういう意味で、中村もここから一歩一歩着実な歩みを見せ、基盤を固めていくことが肝要だ。そのためにも、トルコ代表戦で起用された場合には、ゴールに近いところで仕事ができるというストロングポイントを積極的に押し出すしかない。そして2026年北中米W杯への布石を打つことが肝心だ。

　中村がその先に見据えるのは、先輩・伊東純也の姿だろう。伊東がA代表デビューを果たしたのは、24歳だった2017年12月のEAFF E-1サッカー選手権。ベルギーに赴いたのも、間もなく26歳になろうという2019年2月だった。10代で海外に出た中村よりもはるかに遅いスタートだったにもかかわらず、20代後半で劇的な変貌を遂げ、日本代表を勝たせられる選手になったという事実は、やはり重い。

「今の純也君を見ていると縦だけじゃない。中にも行けるし、周りも使えるし、間合いが空いていればドンピシャのクロスもある。もし代表で左右のワイドでやれる機会があるなら、『左もやれるよ』というところを見せたいですね」と中村も改めて強調した。

　トルコ代表戦は中村敬斗の真価が試される重要な一戦。フランスリーグに引き抜かれるだけのシュートの迫力と精度、ここ一番の決定力を発揮する彼の姿をぜひ見たい。

（取材・文：元川悦子【ベルギー】）

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