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日本代表 7か月前

史上最強の英雄! 五輪サッカー日本代表、歴代ベストイレブン。世界に爪痕を残した男たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

MF:遠藤航(えんどう わたる)

五輪日本代表の遠藤航
【写真:Getty Images】


生年月日:1993年2月9日
日本代表通算成績:52試合2得点2アシスト
五輪通算成績:9試合0得点0アシスト

 2016年のリオデジャネイロオリンピック、2021年の東京オリンピックと2大会連続で出場したのが遠藤航。東京五輪ではオーバーエイジ枠での出場となり、日本代表が戦った全6試合に出場している。

 リオ五輪ではキャプテンとして挑んだもののグループリーグ敗退。その悔しさを糧に、東京五輪ではより上に進みたいと強い気持ちを示していた遠藤。既に1度五輪を経験した者として、ボランチで配置されるとオーバーエイジ枠らしい落ち着きあるプレーで攻守に渡って存在感を発揮した。得意のタックルだけでなく、縦へのパスやドリブルでも違いを見せつけ、まさにチームの心臓として同大会を戦った。

 唯一残念だったのは3位決定戦となったメキシコ代表戦でのPK献上などパフォーマンスが露骨に低下したことだ。ほぼ全試合でフル出場(準決勝、準々決勝は120分フル出場)を続けていただけに、疲労面での負担は相当なものであったと考えられる。それでもなお、東京五輪における遠藤の働きはチームMVP級であり、歴代五輪日本代表ベストイレブンのボランチにふさわしい選手である。

MF:中田英寿(なかた ひでとし)

五輪日本代表の中田英寿
【写真:Getty Images】


生年月日:1977年1月22日
日本代表通算成績:77試合11得点4アシスト
五輪通算成績:5試合1得点0アシスト

 1996年のアトランタオリンピック、2000年のシドニーオリンピックと2大会連続出場を果たしたのがMF中田英寿だ。豊かな創造性と広い視野から生み出されるゲームメイク力、強靭なフィジカルも持ち合わせた中田を、今も日本史上最高のMFと推すファンは多い。

 五輪代表では主に攻撃的MFとして起用され、いわゆるトップ下のポジションでプレー。ブラジル代表を破った“マイアミの奇跡”にもフル出場して勝利に貢献しているが、中田の求める攻撃的なスタイルと周囲のプレーが噛み合っているとは言えなかった。当時から物怖じしない言動で注目を集めていた中田だが、グループリーグ最終戦のハンガリー代表戦では、監督の考える戦術面の相違から中田はスタメンを外された。結果的に日本代表はグループリーグで敗退している。

 4年後のシドニー五輪では、ただ1人の海外組としてチームの中心となった中田。五輪代表を率いたフィリップ・トルシエ監督は「中田のテクニック、メンタルは日本人離れしていた」と絶賛していて、既にレベルの違う選手であった。グループリーグ2戦目のスロバキア代表戦では、中田がダイビングヘッドでゴールを決めて1-2で勝利を収めている。

 準々決勝のアメリカ合衆国代表戦ではPK戦までもつれ込んだ末、中田のシュートが左ポストに直撃しまさかのPK失敗。日本代表は痛恨の敗退となったが、中田の活躍と存在がベスト8入りの原動力となったのは間違いない。

MF:大津祐樹(おおつ ゆうき)

五輪日本代表の大津祐樹
【写真:Getty Images】


生年月日:1990年3月24日
日本代表通算成績:2試合0得点0アシスト
五輪通算成績:6試合3得点0アシスト

 2012年のロンドンオリンピックで攻撃の一翼を担った左WGが大津祐樹であり、同大会ではチームトップとなる3点を決めて日本代表の44年ぶりとなるベスト4進出に貢献した。

 大津が輝いたのがグループリーグ初戦のスペイン代表戦だ。優勝候補にあげられていたスペイン代表を相手に、大津はコーナーキックを足で合わせて1得点をあげた。これが決勝点となりチームは大事な初戦を勝利している。さらに、準々決勝のエジプト代表戦でもクロスに合わせてヘディングで得点。準決勝のメキシコ代表戦では試合に敗れはしたものの、見事なミドルシュートを突き刺している。

 ただゴールを決めただけでなく、ロンドン五輪を通じて目立っていたのは前線からのハードなプレッシングだ。チーム自体がそのようなコンセプトで戦っていたということもあるが、大津もまた豊富な運動量で走り続けた選手の1人であった。

 その後、A代表には定着できなかった大津だが、ロンドン五輪で見せた輝きは本物であった。もし、13/14シーズンに負ったアキレス腱断裂の大怪我がなければ、彼のサッカー人生はもっと違うものになっていたかもしれない。

MF:久保建英(くぼ たけふさ)

五輪日本代表の久保建英
【写真:Getty Images】


生年月日:2001年6月4日
日本代表通算成績:27試合2得点4アシスト
五輪通算成績:6試合3得点1アシスト

 2021年の東京オリンピック代表メンバーに飛び級で招集され、日本代表が戦った全6試合に出場したのが久保建英。主に攻撃的MFとして起用され、3得点1アシストと4得点に絡む活躍で日本代表のベスト4進出に大きく貢献したレフティーだ。

 10歳からバルセロナのカンテラ(下部組織)で育ち、堪能なスペイン語やバルサ仕込のテクニックで10代の頃から注目されていた超天才は、当時レアル・マドリードに移籍したばかりということもあり、多大な期待を背負っての東京五輪出場であった。

 グループリーグでは全試合で1得点(全て先取点)を上げる大活躍で3連勝に導き、日本代表の予選突破に貢献。シュートへの意識や基礎的なテクニック、ドリブルかパスかの判断など「個」としての上手さが際立ち、同大会ではまさに“攻撃の柱”だった。チーム最年少の20歳という年齢を感じさせないスケールの大きさと自信を感じさせる暴れっぷりであった。

 まだ22歳の久保は、2024年に開催されるパリ五輪への出場資格を持つ。出場するかは今のところ不明だが、もし出場となれば圧倒的クオリティで日本攻撃陣を活性化させてくれるだろう。

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