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日本代表 6か月前

佐野海舟が45分で感じた意欲。町田で育ち、病気を経て鹿島で掴んだサッカー日本代表【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by NN

佐野海舟が感銘を受けたプレーとは

ミャンマー代表戦でサッカー日本代表デビューを果たした佐野海舟
【写真:NN】



 守田がアンカーに入り、自らはインサイドハーフでプレーした後に受けた衝撃も忘れられない。86分にMF堂安律が決めた5点目を、前線への浮き球のパスでアシストしたのは守田。自身の頭上をゆっくりと、そして堂安のもとへ正確に超えていったパスに佐野は感銘を受けた。

「ああいった勝負のパスは、プレーしていてすごくうまいと思いました。自分も大事な局面でああいうパスを出さないといけないと、試合中でも思ったくらいにすごかった」

 何よりも後に続く選手たちに、こういう道もあると示したい思いに強く駆られた。

「(年代別代表に)選ばれるにこしたことはないけど、自分みたいに選ばれなくてもA代表に呼ばれて、プレーできると証明できたと思うし、もっと、もっとやっていけるとアピールしていきたい」

 戦いの舞台は代替開催地のサウジアラビア・ジッダへと移った。内戦下でホーム戦を開催できないシリア代表とのアジア2次予選第2戦が、日本時間21日の23時45分にキックオフを迎える。そして、チームが現地入りしたのと前後して、鎌田の負傷離脱が日本サッカー協会から発表された。

 リザーブのままミャンマー戦を見届け、休養十分の遠藤がシリア戦では満を持して出場するだろう。一方でデュエルキングを自負し、ボール奪取に長ける30歳の遠藤に続くボランチは、怪我などで招集されていない選手や予備軍を含めて、群を抜く回収力を誇る22歳の佐野しか見当たらない。

 伊藤と川辺の代表辞退と、鎌田の負傷もあって果たしたA代表への追加招集とデビュー。数日間で激変した状況のなかで、自分自身に「初っ端こそが一番大事」と言い聞かせながら等身大のプレーを披露した佐野が、次回ワールドカップへ向かう森保ジャパンの道のりに大きな爪痕を刻んだ。

(取材・文:藤江直人)

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【了】

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