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日本代表 6か月前

菅原由勢が引き出す久保建英の怖さ。旧知の2人がサッカー日本代表にもたらす相乗効果【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

相手の戦意を喪失させたゴール



 32分の先制点も右の連係から生まれる。左の浅野から伊藤洋輝へのパスを経て、ボランチの位置まで絞っていた菅原へ。そこから右の伊東に展開し、リターンを受けた久保がペナルティエリア外側の位置で左足を一閃。見事に代表3ゴール目となる先制点を決めたのだ。2019年6月のエルサルバドル代表戦での初キャップから29試合目でようやく公式戦初得点を奪うことができ、本人も安堵したに違いない。

 この一撃から日本代表は一気に畳みかける。37分には日頃の練習で積み重ねているクロス&シュートをそのまま実践。左を上がった伊藤洋輝のクロスを伊東が頭で折り返し、上田綺世が右足でゴール。相手の戦意を喪失させた。

 さらに圧巻だったのが、40分の3点目だ。右タッチライン深い位置からのスローイン。久保が投げ、菅原が受けると、彼は久保に預けて一気に縦へ抜け出した。次の瞬間、久保は中寄りの位置にいた伊東に当て、菅原にボールが渡ったと見るや、ペナルティエリア角ギリギリのところに侵入。リターンをもらって、縦に流れた伊東へスルーパス。最後は伊東から中央の上田へクロスが入り、ゴールが決まるという見事な形だった。

 このシーンを見ても分かる通り、久保と菅原の息の合った連動は大いに光っていた。2人は中学生の頃から年代別代表でともにプレー。2017年のU-17W杯、2018年のAFC・U-19選手権などで共闘してきた間柄だ。

 そんな2人はお互いとの関係性について、以前こう言っていた。

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