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Jリーグ 6か月前

佐野海舟が自覚する「足りないもの」。勝てない鹿島アントラーズの不名誉な事実【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

佐野海舟「それが自分に足りないもの」

川崎フロンターレに敗れた鹿島アントラーズ
【写真:Getty Images】



 チーム唯一の日本代表である佐野は遠藤航らの発信力や統率力を目の当たりにしてきたはずだが、もともと大人しい性格ゆえに、周りを奮い立たせるようなアクションを起こすことはできなかった。

「起きてしまったことは仕方ないですし、切り替えるのが大事だと思ってその後もプレーしましたけど、今回はうまくいかなかった。遠藤選手だけじゃなくて、代表で生き残っていくためには発信力も必要。それも自分に足りないものでもあるんで、しっかりやっていかないといけないと思います」と佐野は自身の課題を自覚している様子だった。

 かつての常勝軍団には小笠原満男のような闘将がいた。小笠原も佐野同様に口数は決して多くないが、苦境に追い込まれてもブレることなくチームを結束させ、最後まで諦めることなく戦っていた。小笠原がいるだけで全員が安心感を覚えたものだ。

 まだ22歳で鹿島移籍1年目の佐野にそれを求めるのは酷かもしれないが、柴崎岳が負傷離脱している今、彼にはチーム全体を動かす役割を担ってもらわなければならない。それが紛れもない事実と言っていい。

 鹿島は84分、リスタートの隙を突かれて早川友基がダミアンをペナルティエリア内で倒し、PKで3点目を失ってしまった。そういった隙を作らないように、もっともっと意識を高めていくしかない。

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