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Jリーグ 4か月前

「責任は自分で取る。それが未月っぽい」齊藤未月、ヴィッセル神戸完全移籍の真相。なぜ湘南ベルマーレは手放した?【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「アイツは本当に…」眞壁潔会長から見た齊藤未月



「そのときにはもう気丈に……空元気かもしれないと思いながらも、アイツは本当に気が強いというか、そういう一面をもともと持っていたなとあらためて思いました」

 直後に神戸から齊藤の怪我の詳細が発表された。左膝の関節脱臼、複合靱帯損傷と内外側半月板損傷。複合の内訳は前十字靱帯断裂、外側側副靱帯断裂、大腿二頭筋腱付着部断裂、膝窩筋腱損傷、内側側副靱帯損傷、後十字靱帯損傷で、全治まで「現時点で約1年の見込み」という前例のない重傷だった。

 ほどなくして神戸から連絡が入った。眞壁会長は「2週間後くらいだったかな」と記憶している。期限付き移籍を完全移籍に切り替える形で、齊藤をあらためて獲得したいというオファーだった。

 神戸の運営会社会長で、親会社の楽天グループ会長兼社長の三木谷浩史氏は、大怪我を負った齊藤が長期離脱を余儀なくされた直後に、自身のX(旧ツイッター)でこんな決意を発信していた。

「齊藤未月選手 この選手を守らないで、なんのためのサッカーか、なんのためのヴィッセルかと僕は思う。We walk together」(原文ママ)

 神戸として出した結論が齊藤と「一緒に歩んでいく(We walk together)」であり、期限付き移籍の延長ではなく完全移籍での獲得だった。眞壁会長はまず湘南の坂本紘司代表取締役社長へ連絡を入れた。

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