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日本代表 4か月前

なぜ右サイドは輝いたのか? サッカー日本代表、久保建英と堂安律を活かす右SBの献身【アジアカップ2023現地取材コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images,AFC

「選択肢を増やす」毎熊晟矢の献身



 毎熊の方も「彼はボールを持ったら何でもできるし、前向ける選手なので、より選択肢を増やすことを意識していました。そこに今日はタケも加わってくれるのは試合前から予想できてたので、3人目の動きだったりっていうのはすごく意識してやりました」とコメント。右のトライアングルで有効な形を何回も作り出せたことに自信を見せていた。

 後半に入ってからは、早い時間帯に2点目が入ったこともあり、毎熊はややセーフティーな位置をキープしながら堂安をサポートすることに徹した。そういった援護射撃もあり、堂安は2度3度と決定機を迎えた。それを決められなかったことは残念だったが、堂安が下がる86分まで右サイドの迫力は失われなかった。最終的には途中出場の伊東純也から上田にラストパスが渡り、オウンゴールで3点目が生まれたが、このお膳立てをしたのも毎熊。とにかく今回は背番号16の一挙手一投足が大いに光った。

 日本代表は最終的に3-1で勝利。自力で2位通過を決めた。無失点という目標は果たせなかったものの、これまで見られなかった躍動感や連動性、守から攻への切り替えの速さといったベースの部分が戻ってきた印象だ。

 そのけん引役となった右のコンビを森保監督も高く評価しているはずだ。昨年は伊東・菅原コンビを重視してきた指揮官だが、堂安・毎熊コンビという選択肢が生まれたことで、ここから先の対戦国の対策をかいくぐる術も見出せそうだ。

 特に毎熊は菅原からポジションを奪いそうな勢いを感じさせる。チームに新たな活力をもたらす人材の出現を前向きに捉えつつ、31日のラウンド16に向けていい準備をすること。それが今の森保ジャパンには何よりも重要ではないか。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

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【了】

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