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采配に疑問…。サッカー日本代表の敗因とは? 「苦手な戦い」にベンチは何もできず【西部の目/アジアカップ2023】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

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 サッカー日本代表は3日、AFCアジアカップカタール2023準々決勝でイラン代表と対戦し、1-2で敗れた。前半に先制しながら、後半は防戦一方となり逆転負け。屈辱的な敗北につながった原因はどこにあるのだろうか。試合を振り返りながら、その要素をひも解いていく(文:西部謙司)


挑発に乗らないサッカー日本代表。前半は辛抱強く…

サッカー日本代表
【写真:田中伸弥】

 後半に球際のプレスとロングボールでギアを上げてきたイラン代表に対し、成すすべないまま流れを持っていかれ2失点で逆転負け。

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 明らかに流れが悪いときにベンチの動きがない。これは前回大会の決勝前半と同じで、森保一監督および日本代表スタッフの弱点だろう。狙われていた板倉滉のところを町田浩樹に交代させるか、5バック化してカウンターモードに切り替える、あるいはフリーでロングボールを蹴らせないように前線の構成を変えるなど、打ち手はあったと思う。もちろん、そうしたら上手くいくかどうかはわからないが、何もしないという選択は疑問だった。

 イラン代表はパワーと高さという自分たちの長所をできるかぎり前面に出して戦い、勝利を手繰り寄せたわけだが、一方で日本代表は自分たちの強みを発揮していない。少し引いた見方をすれば、それが完敗につながったのではないだろうか。

 立ち上がりからイラン代表のアフターチャージが目立った。冨安健洋の両足を踏みつけ、守田英正にレイトタックルを仕掛けたサルダン・アズムンはレフェリーから注意を受けたが、球際で引かない意思を見せ、さらにダメージを与えようとする挑発的な姿勢だった。

 ただ、立ち上がりの日本代表は挑発に乗らず、相手のロングボールも確実に跳ね返し、徐々にボールを支配して押し込み始める。引かれても焦らずに守備の綻びを辛抱強く探っていく流れはラウンド16のバーレーン戦と似ていた。

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