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Jリーグ 2か月前

4戦勝利ゼロ、東京ヴェルディはJ1で通用するのか?「進歩するためのヒント」「2年前に戻ってはいけない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

指揮官が問題視したのは…「2年前に戻ってはいけない」


【写真:Getty Images】



 22分にはGKを交えたビルドアップから2トップが決定的なチャンスを作ったが、木村からパスを受けた染野のシュートはGK小島に防がれた。40分にはCKの流れから深澤大輝が右足を振り抜くも、相手にブロックされた。

 前半のうちに2点目を取るチャンスはあったが、結果として追加点を奪えず、追いつかれて逆転を許した。逆転となる2失点目のシーンは遡ってその原因を明らかにする必要があると城福監督は指摘する。

 68分40秒ごろのシーンで、右サイドでパスを受けた山田は後ろの宮原和也に戻した。宮原はさらに最終ラインに降りてきた見木友哉にパスを出し、見木からセンターバックの林、谷口へとボールが回る。結果として谷口が林に戻したパスが短くなり、意思疎通のエラーが起こり失点につながってしまうのだが、指揮官はバックパスが続いたことを「悪い癖」と表現し、「2年前に戻ってはいけない」と問題視した。「アグレッシブさ」が生命線のチームスタイルである以上、消極的なプレーが続くとミスが引き起こされることを如実に表したシーンになってしまった。

 それでも、逆転された後に再びアグレッシブさを取り戻したことは、これからの34試合につながるだろう。J1は今季から2チーム増えて試合数も4試合多くなる。この4試合で突き付けられた現実を学びに変えていければ、挽回は十分に可能であり、勝ち点を積み上げていくことはできる。

 指揮官は課題を明確に述べつつも、改善している部分についても触れる。前述したアグレッシブなディフェンスと、この試合で垣間見えたボールを握る戦いを試合の中で使い分けることができれば、相手にとっては嫌なチームになるだろう。

「リアクションで走るばかりではなく、アクションでチャージしながら相手陣でサッカーする時間を増やしたい。前半からやれるような技術と判断を養っていく途上にある」

 4試合勝利はないが、光の差す方向は確実に見えている。それが勝ち点という形で反映されるのは少し先かもしれないが、ヴェルディは確実に目指すべき方向へと進んでいる。

(取材・文:加藤健一)

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【了】

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