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Jリーグ 1か月前

苦しんだ先の初ゴール。植中朝日が横浜F・マリノスで決意「僕が逆にチームを引っ張る」「ここからケチャドバ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「一瞬の隙を狙って…」「ボールを持った瞬間に決めた」



 連戦でフル稼働が続くロペスを助けるべく前線を走るとともに、中盤へのプレスバックも怠らない。ファウルになってしまったものの、90分にカウンターを受けた際は、敵陣ペナルティーエリアから70m近くも走って戻った。直後のガンバのFKをGKポープ・ウィリアムがキャッチすると、猛然と前線を駆け上がり、ポープからのロングフィードの受け手になった。

「終盤で相手も疲れてくると思ったので、常にクロスに入っていったり、一瞬の隙を狙って背後を狙おうとしていました」

 決定機を逸しても、パスが通らなくても、植中は走り続けた。そして、最後の最後に努力が報われる。目安となるアディショナルタイムの7分台に突入し、永戸が前線に向かって高く蹴り上げる。これを宮市がスルーすると、ボールは植中の下へ転がった。相手が前がかりになっている状況で植中は迷わず仕掛け、左足を振り抜いてファーサイドに決めた。

「もう時間的に終盤だったので、絶対に(シュートを)打とうとボールを持った瞬間に決めました」

 投入直後の決定機を外したことで気持ちが切れていたら、最後のゴールはなかっただろう。ただ、1つの失敗で気持ちが切れるような選手ではない。植中はこれまでもたくさんの苦境を乗り越えて強くなってきた。

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