「そんなには変わっていないと…」謙遜の中にも確かな自信
20試合に出場しているリーグ戦で3ゴールを決めている長倉は、こちらも初めて臨むルヴァンカップでは6ゴールと、出場試合数の5を上回っている。6月のV・ファーレン長崎とのプレーオフラウンドでは、第1戦で逆転ゴールを、第2戦では引き分けに持ち込む同点ゴールを決めている。
長倉の活躍もあってベスト4に進んだ新潟は、身長177cm体重72kgのストライカーにけん引される形で町田との準々決勝も突破した。古巣でもある町田との第2戦で2トップを組んだ35歳のベテラン、鈴木孝司も4本もの決定的なシュートを放った点こそが長倉の武器であり、魅力だと指摘している。
「スピードもあるし、落ち着きもあるし、自分の特徴をゴールに向けてどんどんプレーしてくる。決定機にいることがすごく大事だと思うし、その場所に僕も入れるように、もっと練習していきたい」
長倉本人は、自身のどこが変わったと感じているのか。町田戦後にこう語っている。
「そんなには変わっていないと思っているんですけど、ただチームのサッカーに自分が合わせて、そのなかで自分の長所を出せるようになってきたと思います。自分の工夫もそうですし、味方のおかげでもありますね。コミュニケーションをしっかり取って、タイミングなどで要求をしている感じです」
現在進行形で研ぎ澄まされている得点感覚だけではない。たとえばリーグ戦では、先発した12試合のうち9つでフル出場し、平均のプレー時間は約86分に達している。町田とのルヴァンカップ準々決勝でも、ともに先発フル出場。負けている第2戦でも最後までピッチに立ち続けた。
キックオフ時の気温が28.3度、湿度にいたっては72パーセントに達した過酷な条件下で、守備でも献身的に走り回った長倉は「みんなも走っているし、自分は走るだけしかないので」と謙遜しながらも、新潟を率いる松橋力蔵監督の選手起用に込められた意図をこう語っている。