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Jリーグ 10か月前

クラブの顔になる。湘南ベルマーレ、石井久継の熱い思い。U20日本代表で掴んだ自信「アカデミー出身者として…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「智さんから…」。ゴールに繋がった指揮官からの指示

 ベンチ入りした石井は、イメージを膨らませながら今シーズン初出場を待った。38分にセットプレーから失点し、4試合目にして初めてビハインドを背負う展開で迎えたハーフタイム。先発していた根本凌に代わって投入された石井が、まばゆい輝きを放ったのはわずか10分後の55分だった。

 藤井智也とのワンツーで敵陣の右サイドを攻めあがった鈴木雄斗が、前線へ鋭いパスを供給する。マリノスのジェイソン・キニョーネスが処理を誤り、さらにマリノスのゴール前へとこぼれていったボールに素早く反応した平岡大陽が、体を捻りながら迷わずに右足を振り抜いた。

 ゴール左を急襲したシュートに、マリノスの守護神・朴一圭も懸命にダイブ。必死に伸ばした右手で弾いた左ポスト付近へ、まるでボールがこぼれてくるのを予測していたかのように、フリーでポジションを取っていた石井が詰めてくる。左足のワンタッチで放たれた一撃が、無人のゴールへ突き刺さった。

 試合を振り出しに戻し、それまでの劣勢もはね返すゴールへの思いを石井は周囲への感謝に変えた。

「智さんから『より前に、前にアクションし続けろ』という指示があったので、シュートを打つときに体が自然に前へ出ていった。(平岡)大陽くんがうまく抜け出して、ボールがこぼれるようなコースへシュートを打ったので、大陽くんやほかの選手たちに感謝したい。本当にいいところにボールがこぼれてきたので」

 19歳の誕生日前日だった、昨年7月6日の浦和戦で決めたプロ初ゴールに続く一撃。左サイドハーフで途中出場したこのときは福田とのワンツーで抜け出し、さらに中央へ切り込んでゴール右を狙う練習通りの形だった。今回のゴールを「しれっと入った感じですね」と笑った石井は、さらにこう続けた。

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