「やれる自信はありました。だた…」

　2週前のファジアーノ岡山戦やさらに1週前の京都サンガF.C.戦。勝利を逃した2試合は周囲から「間延びしている」と評価された。それが無得点で勝ちきれなかった要因の一つでもあると。

　佐々木は責任を感じていた。前線のエリソンや山田新がパワーを生かしてボールを収めやすい形を作りながらも、彼らに関わる選手が少ないことが間延びしていると見られる原因だと考えていたからだ。

「岡山戦は僕も（左サイドバックの三浦）颯太も上がっていく回数を増やせなかった。FWにボールを収めてもらいながら、自分たちが関わっていけないと攻撃に厚みが出ないですし、周りがどう関わっていくかが大事になってくると思っています」

　その点を個人として、チームとして改善できた手応えがあった。そして、ためらいなくポジティブな言葉を発していた。

「この期間にしっかり整理できて試合に臨めるので、楽しみに見ていてほしいと思います。中断期間で上積みできたと思うし、その成果を見せられると思います。見せたいです」

　だが、多摩川クラシコの前半は佐々木の思うようにはいかなかった。

「前半は自分たちの悪いところが出ました。距離感も遠くて、試合に向けて準備してきたことをうまく出せませんでした。

　アキさん（家長昭博）もいますし、ボールが来ればやれる自信はありました。ただ、前半は全くボールが来なかった」

　ハーフタイムには改善すべくチームメイトと話し合った。すると、後半は内容が激変した。丸山祐市、高井幸大の両センターバックからボールが出てくる回数が増え、佐々木は攻撃参加を繰り返した。

　そして、佐々木のプレーから2つのゴールが生まれる。