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Jリーグ 9か月前

浦和レッズ、西川周作の632試合の軌跡。「ピッチに立つと…」不思議な力の源に感謝も、狙うは記録よりも大事なもの【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

「立った人にしか分からない」。不思議な力

「その中で自分のプレーを還元していくことをこれからもやっていきたいですし、色々な人に支えられながらサッカーをやってきているので1日1日を大事にしながら、関わってくれる皆さんのためにも良いプレーを続けたいです」

 怪我と向き合いながらピッチに立ち続けることは容易ではないからこそ、心技体を整えてくれる妻やトレーナーへの感謝も忘れない。

「奥さんとスーパートレーナーのおかげでサッカーができていますし、痛いところを抱えながらピッチに立つと不思議なアドレナリンで戦わせてくれるサポーターがいます。立った人にしか分からない力が湧いてくるというか、助けられています」

 大声援を背中に受けることで痛みは薄れ、不思議と力が湧いてくるのだという。

 J1通算出場記録1位の遠藤保仁氏が持つ672試合が見えてきたが、「僕の中ではヤットさんを超えるまでに、浦和レッズで優勝したいし、まだ成し遂げていないのはリーグタイトル。その瞬間に自分もピッチで戦っていたいですし、そこしか目指していない」と記録よりも、タイトルへの思いを綴った。

 また、チームメイトでもある関根貴大は西川が積み上げ続けてきた足跡を「もう凄すぎて言葉がないですよ」と口にすると、3月8日のファジアーノ岡山戦(1-0)では前人未踏のJ1通算200試合目となるクリーンシートを達成していることにも触れた。

「周ちゃんの記念すべきゲームでは負けてないこと、水曜日の埼スタナイターもほとんど負けていないので色々なものが重なったと思っていた」

 38歳。「常に勝っていく姿を見せていきたい」と真剣な表情を見せ「最大の目標」であるリーグタイトルから目を逸らすことなく前だけを見つめる。自分を客観視し、自分に足りないものを吸収する。

 いくつになっても成長する姿を見せている浦和の守護神は、成長とは“目標に向かい挑戦する者の総称”だと、これからも示していく。

(取材・文:石田達也)

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