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Jリーグ 2か月前

「4連敗の時と違う」北海道コンサドーレ札幌、西野奨太は言う“意味ある敗戦”だと。前向きな理由は「それだけの話」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

試合の入りは悪くなかったのに…

 序盤の札幌からはそういった闘争心が感じられた。開幕当初は守備が不安定で安易な失点を重ねていたが、この日は最終ラインを中心に組織的な守りを披露。大宮のカプリーニや杉本健勇らにスキを与えない。そのうえで近藤友喜、田中克幸ら前線アタッカー陣が打開力を発揮。試合の入りは悪くなかった。

 けれども、20分を過ぎたあたりからボールが収まらなくなり、一方的に押し込まれるようになる。ここを何とかしのぎ、前半を0-0で折り返したのは御の字だっただろう。

 迎えた後半、札幌は木戸と荒野拓馬を交代。攻撃のギアを一気に上げていく。53分には右サイドバックの髙尾瑠のドリブル突破から右の近藤に渡り、その折り返しに左からスパチョークが飛び込む決定機も演出。61分の近藤のドリブルシュートを含め、点が入りそうな雰囲気も少なからず漂った。

 だが、大宮にはベンチに豊川雄太という切り札がいた。長澤徹監督が62分に背番号10を投入するや否や、大宮はワンチャンスをモノにする。試合の命運を分ける1点が入ったのは67分だった。

 GK笠原昴史のロングフィードを杉本が収め、豊川が持ち運び、右から上がってきた藤井一志が折り返した。これはいったん髙尾が弾いたが、大宮は左から上がってきた下口稚葉が拾って、再度浮き球のクロスを入れた。ここで反応したのが藤井。彼の豪快な左足シュートがネットを揺らしたのだ。

 粘り強く耐えていた札幌にとっては、致命的な1点。結局、これを取り返すことができないまま、0-1で敗戦。早くも今季7敗目を喫することになった。

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