「大樹さんには本当に恩返ししなきゃ…」
「まず最初の(杉本に)ところで僕と(家泉)怜依が『どっちが行くか』みたいな感じになって、相手にフリーで収められてしまった。そこから落ち着いて全員でリカバーできたんですけど、最後のクロスを決められた。あれは難しいボールだったんですけど、(高嶺)朋樹君に(藤井に)寄せさせて、自分が『カバー』って声をかけれたかなと思います。
あのシーン以外は安定感を持ってやれていましたし、ああいうところで守り切れるかどうかで上に行けるかが決まると思うので、全体でもう1回取り組みたいと思います」
悔恨の念を口にするのは、背番号47をつける20歳のDF西野奨太。U-12から札幌のアカデミーで過ごした生え抜きだ。昨季は後半の半年間、J3のカマタマーレ讃岐に育成型期限付き移籍したが、岩政体制の今季は最終ラインの主軸と位置づけられ、重用されている。
「自分の景色もガラッと変わりましたし、こうやって試合に出してもらって、自分にポジティブな言葉をかけてくれている。そんな大樹さんには本当に恩返ししなきゃいけないし、結果を示さなきゃいけない。DFは無失点で抑えて勝つのが一番の評価材料なので、そこは突き詰めてやらないといけない」と本人も責任を痛感している様子だった。
ただ、岩政体制で試合を重ねる中で、守備組織の構築は少しずつ進んでいる様子。西野が話したように、大宮戦は藤井のゴールシーン以外、危ないところはほとんどなかった。
指揮官も「厳しい時間に我慢をして、リズムをつかんだ時間帯でチャンスを作っていくところはしっかり出せた。それは今までのウチにはなかったところ。1つの成長と言える」と前向きに評しており、西野や家泉ら若いDF陣は間違いなく成長を遂げている。