「この敗戦は序盤4連敗の時とは意味が違う」。その真意とは
「大樹さんは攻撃のところでボールの運び方、受け方、相手をどうズラすか…といった細かい部分を練習後の自主トレで細かく教えてくれています。自分もそれを吸収して、ところどころよくなっている。もっと脅威になるパスだったり、後ろからの配球ができるようにならないといけないですね。
今季は負けが多くて本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、最初の4連敗の不甲斐ない内容に比べると、今日は自分たちのサッカーがより明確になったと感じた。勝てていないのは確かですけど、全てを悲観的に見るんじゃなくて、クオリティを上げていくだけ。この敗戦は序盤4連敗の時とは意味が違うのかなと思います」
西野は前向きに語っていたが、その手ごたえを結果につなげていくしかない。失点に絡む形になったキャプテン・高嶺も「ここからの連戦で勝ち点9を取れるように準備していきたい」と力を込めたが、幸いにして今季J2はジェフユナイテッド千葉と大宮のトップ2から下はそこまで差がついていない。目下、勝ち点12で17位の札幌もJ1昇格プレーオフ圏内まで5差しかない。早くも自動昇格が難しくなってきたのは確かだが、まだ最高峰リーグを目指せなくなったわけではないのだ。
「僕たちは現場の人間なので、可能性がある限り、取り組んでいくだけ。これは選手たちにいつも言っていますが、評論家や解説者は可能性が何%あるかないかの話をしますけど、僕たちは可能性があるかないかしか考える必要がない。可能性がある限りはチャレンジをしますし、なくなれば次のチャレンジにします。それだけの話ですね」
岩政監督も厳しい現実を受け止めたうえで、先を見据えていた。そんな指揮官とともに選手たちは目の前の苦境を打開していくしかない。
特に“秘蔵っ子”とも言える西野は現役時代の岩政監督と同じポジションであり、より多くのことを引き継げる立場にいる。アカデミー出身のシンボル的な存在の若武者が劇的な成長を遂げ、グイグイとチームを引っ張ってくれれば理想的。ここからの背番号47の動向を注視していく必要があるだろう。
(取材・文:元川悦子)
【Amazonギフトカードのプレゼントあり】アンケートへのご協力をお願いします【関連記事】
北海道コンサドーレ札幌は? J2戦力総合評価ランキング1〜10位【2025年】
北海道コンサドーレ札幌は大きく変わる。岩政大樹新監督が目指す理想像。「勝手に選手が見つける」サッカーとは【コラム】
【最新順位表】2025明治安田J2リーグ