鬼木達監督から掛けられた言葉「すごく大事なターニングポイント」
「鬼さん(鬼木達監督)から守備強度が足りない、と言われていた。それで(アルビレックス)新潟戦で途中から出たときに、強度高くやってくれたって言ってもらえた。あの試合は、すごく大事なターニングポイントになった」
鬼木監督も、舩橋の変化を確かに感じ取っている。
「積極性が出てきた。自分がこのゲームをどうにかしたいという意志が必要なので。普段のトレーニングから出しているので、そういうのを常に出せるようにしてほしい」
「全然甘いですよ。甘いですけど」と言った鬼木監督の表情は柔らかかった。
ただ、最初から順調だったわけではない。開幕前の舩橋の評価は決して高くなかった。「プレシーズン、キャンプ含めてのところでは、あんまり自分の中で吸収できなくて」と舩橋は振り返る。
今季から指揮を執る鬼木達監督は、プレシーズンから様々な組み合わせを試していた。樋口雄太はボランチとサイドハーフのどちらか。松村優太は左サイドでも活きるのではないか。サイドバックが本職の小池龍太を2列目で起用するのはどうか。先入観をできるだけ排除して、可能性の最大化を図った。
ライバルは強力だった。ボランチには知念慶と柴崎岳に加えて三竿健斗、プレシーズンで好調だった樋口が争う。主力組でプレーする時間はそこまで多くなかったが、舩橋は練習で手を抜かなかった。自身に矢印を向け、自分を高める努力を続けた。
「練習の中で鬼さんの要求していることを意識しながら、試合をこなしていくごとに、鬼さんの求めることやることができるようになってきたなっていう印象はある」
開幕前に三竿健斗が負傷し、今季からベンチ枠が20人に拡大したことで回ってきたチャンスを舩橋は掴んだのだ。
25日の名古屋グランパスは、舩橋の特徴が出た試合だった。