「“典型的な勝てないチーム”になっていた」
「ウイング(バック)の仕事はチームによってだいぶ変わるんで、慣れるのがすごく大変でしたね。3(バック)の右にしても、下でビルドアップしながらタイミングよく上がっていくという、もともと自分が持ってるプレーをもっと増やしたいと考えていました。そういう時に離脱したんで、個人的に苦しい序盤戦だったと思います。
チームも前線の選手の得点が圧倒的に少なかったし、再現性のあるゴールをなかなか決められなかった。それで後ろが耐え切れずに失点を重ねてしまうという“典型的な勝てないチーム”になっていた。何とかそれを改善したいと思っていました」
原はこう強調する。ここまでの不完全燃焼感を、久々の先発となった清水戦にぶつける覚悟だったという。
この日の名古屋は非常にいいスタートを切ることに成功した。永井謙佑、マテウス・カストロ、和泉竜司の前線3枚が流動的に動いて攻撃陣を引っ張り、目下、最大の得点源になっている稲垣祥のチャンスをお膳立てするという狙いが鮮明だった。それが奏功し、36分には待望の先制点を手に入れる。
右タッチライン際からの内田宅哉のスローインを和泉が受けてリターン。内田が持ち込んで折り返したところに、背番号「15」をつけるベテランボランチが侵入。見事にヘッドでファーストゴールをお見舞いしたのだ。