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Jリーグ 1か月前

清水エスパルスではない。“名古屋グランパスの原輝綺”として。今ここから始まる本当の勝負「今日は恩返しと…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

“名古屋グランパスの原輝綺”としての決意と覚悟

 この勝利で名古屋は連敗脱出に成功。勝ち点を「14」に伸ばし、ようやく降格圏から脱出した。自分たちより下の順位にいる横浜F・マリノスと横浜FCの消化試合数が少ないため、まだ予断を許さない状況ではあるが、失点の多さという課題に歯止めをかけられたのは特筆すべき点だ。

 11試合ぶりに先発し、最終ラインの一角を占めた原がその一端を担ったことも大いに意味のあること。それを移籍後初の古巣対決で果たしたということで、彼自身もようやく名古屋での力強い一歩を踏み出したと言えるのではないか。

「僕は(アルビレックス)新潟、(サガン)鳥栖、グラスホッパーでもプレーしましたけど、清水は一番在籍年数の長いチーム。先輩後輩ともにすごくよくしてもらって、個人的には思い入れが強いです。今日は恩返しと負けたくないという気持ちで戦いましたけど、自分としては楽しめたかなと思いますね。

 定位置確保?そこはどうなるか分かんないですけど、いい意味でブレないように頑張りたいです」

 本人も爽やかな笑みを浮かべたが、この試合を経て完全に古巣と決別し、「名古屋の原輝綺としてやっていくんだ」という覚悟と決意のようなものも芽生えたのかもしれない。

 今季の名古屋は原とともに加入した佐藤瑶大、宮大樹というDFがいて、昨季までの実績を持つ三國ケネディエブス、野上結貴、河面旺成といった面々も顔を揃える。

 特に原は野上とポジション争いをすることが多くなりそうだが、これまでさまざまな環境で積み上げてきたマルチな能力と攻守両面に絡めるダイナミックさを生かし、もっともっと存在感を高めていくべき。2019年にはサッカー日本代表としてコパ・アメリカに参戦した経歴もある男なのだから、彼はよりインパクトの大きな仕事ができるはずだ。

 名古屋、そして原の本当の勝負はここからだ。ここからの一挙手一投足を注意深く見守っていきたい。

(取材・文:元川悦子)

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【了】
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