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Jリーグ 7か月前

「忘れては…」川崎フロンターレ、佐々木旭は“あの日”から変わっていく。「そこまでの選手とチーム」にならないため【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「自分のサッカー人生が終わるまで…」

「帰ってきて2試合、そうした意識のもとでプレーできている。今シーズンが終わるまでというよりも、自分のサッカー人生が終わるまで、あの悔しさ、あの基準というものを忘れずにやっていきたい」

 アジアの戦いを介して、さらに高まった意識は7試合ぶりの白星へ向けられる。33分にMF山本悠樹が直接FKを決めて同点とした横浜FC戦は、FW家長昭博のロングシュートがクロスバーに当たった跳ね返りを、相手DFンドカ・ボニフェイスが押し込んでしまう84分のオウンゴールで決着がついた。

「個人的にもまったく満足していないし、これで満足してしまったらそこまでの選手とチームになってしまう。相手のミスで決勝点を取りましたけど、鹿島戦で決めるところを決め切る課題に関して、今日はどうだったのかと言われると課題はまだあったと思うので、そこは厳しくやっていかなきゃいけない」

 チームだけでなく個人のパフォーマンスに対しても、妥協を許さない佐々木の視線は向けられる。冒頭で記した、新保の左足によるクロスを阻止した場面には、こんな言葉をつけ加えている。

「あの場面で右足でも相手にクロスを上げさせない力、というものをつけていかなければいけない」

 ACLEで未消化だった試合が水曜日に組み込まれていく関係で、横浜FC戦から中3日でセレッソ大阪、中2日で浦和レッズ、さらに中3日でガンバ大阪をすべてホームに迎える前半戦の正念場となる連戦へ。

 左右のサイドバックに加えて、センターバックでもプレーできる守備のマルチプレーヤーとして、昨シーズンからフル回転を続ける佐々木は、目線もさらに高く掲げながら川崎の最終ラインで存在感を高めていく。

(取材・文:藤江直人)

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【了】

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