「やっと卒業できたので」4年越しの思いの詰まるゴール
最後に余談になるが、佐々木のこの得点はリーグ戦シーズン2点目だった。
「やっと年1の男を卒業できたので」と笑顔を見せる佐々木は今季がプロ入り4年目のシーズンとなるが、過去3シーズンのリーグ戦で決めてきたゴールはそれぞれ1得点のみだった。常々、シーズン2点目がほしいと口にし続けてきていた佐々木の「やっと年1の男を卒業できたので」との言葉は、つまりは4年越しの思いが詰まった重みのあるものでもあった。
そうやって一つの壁を乗り越えた佐々木ではあるが、「あと3点くらい取れればいいかなと思います」と突然自らハードルを上げたのは面白かった。
突拍子もない上方修正ではあるが、もともとシュートへの意欲は強い選手だ。ミドルレンジからのシュートも武器で、これまでも相手ゴールを脅かしてきていた。ただし課題があるとすれば、シュートが枠に飛んでいないということ。どれだけいいタッチでシュートを蹴れたとしても、枠に飛ばせなければ可能性はほとんどゼロ。そんな経験を繰り返してきたからこその広島戦の決勝ゴールだった。
壁を一つ越えた佐々木は、点の取れるサイドバックとしてどこまで結果を伸ばせるだろうか。
(取材・文:江藤高志)
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