3位:鹿島アントラーズ

【写真:Getty Images】
2025リーグ成績1位(13勝2分5敗)
鹿島アントラーズは、6月の特別登録期間で守備陣の強化に取り組んだ。主力の負傷離脱が相次いでいたため必要に迫られた補強だったのは間違いないが、結果として活躍を担保できるような実力者を射止めることに成功。プレー哲学と同様に、鹿島の戦力補強は実に手堅い。
2025シーズンのJ1リーグで首位(13勝2分5敗)に立つ鹿島だが、シーズン前半戦は主力の怪我が好調のチームに暗い影を落とした。特に鬼木達監督が頭を悩ませたであろう関川郁万と安西幸輝の戦線離脱は、チームの守備強度を大幅に下振れさせかねない出来事だったはず。関川は左膝複合靱帯損傷、安西は左膝前十字靭帯損傷と、すぐに復帰できるような類の怪我ではない。
守備陣に空いた“2つの大きな穴”を埋めるべく、鹿島が6月に獲得したのは千田海人と小川諒也だ。千田はセンターバック、小川は左サイドバックと、それぞれ関川および安西が抜けたポジションを担うことになるだろう。いずれも経験豊富な選手であり、名門・鹿島でプレーする重圧にも耐え得るメンタルを備えている。
過去も現在も、鹿島の強みは頑強な守備網にある。確かに関川と安西の戦線離脱は大きな痛手だったが、即座に即戦力を確保したクラブ首脳陣の手腕は流石の一言だ。
また、千田が「歴史あるクラブの一員として戦えることを、うれしく思います」(2025年6月9日/鹿島のクラブ公式サイトより)と口にしたように、鹿島が築いてきた伝統は一線級の選手を魅了する。たとえシーズン途中でも彼らが加入の要望に応えてくれるのは、クラブのブランド力の賜物でもあるのだ。