プロ6年目。「全然足りてない」と危機感
「動画なんかで振り返ったりしても、僕は相手と少し並列だったり、後ろからでも、たぶん勝てるんじゃないかっていうのは、スタッフやチームメートと話す中でも言われていました。だから、走るタイミングは意識していた。あの時も最初は僕の方が後ろだったんですけど、うまく間を突きながら、走るコースはよかったかなと思います」
これで松村のアシストは今季2つ目。彼自身は「結果という意味では全然足りてない。今日1つ(アシストが)つきましたけど、これで終わりじゃない。どの試合でもしっかり結果を残せるように取り組んでいかなきゃいけない」と語気を強める。今季プロ6年目を迎えているにも関わらず、まだ確固たる結果を残せていないという危機感がそういう発言をさせるのだろう。
2020年正月の全国高校サッカー選手権で名門・静岡学園を全国制覇へとけん引した“エースナンバー10”も早いもので24歳。あれだけの強烈なインパクトを残した逸材なのだから、本来であれば、常勝軍団の絶対的エースに成長していなければならなかったはずだ。
しかしながら、ザーゴ、相馬直樹、レネ・ヴァイラー、岩政大樹と指揮官が変わる中、絶対的地位を築くことができず、ランコ・ポポヴィッチ監督体制の2024年は始動初日から事実上の構想外扱い。かつてないほどの苦悩の日々を強いられたのだ。
東京ヴェルディへのレンタル移籍を決意したのはちょうど1年前の今頃。大きな目標トだったパリ五輪(オリンピック)を逃したこともあり、「何かを変えなければならない」と感じたのだろう。