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Jリーグ 4か月前

「正直、自信があるんで」石原広教は今、目の色を変えて…。浦和レッズはクラブW杯を終えて「変化はある」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

世界基準に追いつくために。石原広教のプレーに表れる変化

 彼はリーベルプレート、インテルの2試合に先発。前者ではファンクド・コリーディオ、後者ではフェデリコ・ディマルコという迫力あるサイドプレーヤーと主に対峙。インテル戦ではスーパーゴールを決めたラウタロ・マルティネスに寄せる場面も複数回はあった。

 トッププレーヤーの彼らは間合いを詰めようとしても簡単に詰めさせてくれないし、逆に石原がボールを持っても自由にはやらせてくれない。その厳しさを知ったことは非常に大きかった。他のメンバーも「あの経験をムダにしてはいけない」と痛感しているが、常に世界基準を頭に入れながら、高みを目指すことが肝要だ。石原は今、目の色を変えてそのレベルに到達しようとしている。それが福岡戦でも色濃く伺えたのだ。

 後半に入ると福岡が攻撃のギアをさらに引き上げてきて、浦和は攻めの形を作れず苦しんだ。指揮官は小森や関根貴大ら持ち駒を投入して状況を打開しようと試みるが、相手の割り切った攻めに苦戦する。

 となれば、守備陣は跳ね返すことに専念しなければいけなくなる。石原は後半の32分のクロスプレーで左肩を痛めるアクシデントに見舞われたが、右SBは交代要員がいない。そのまま勇敢にピッチに立ち続け、終盤も高さのある福岡のクロスに対して懸命に体を張り続けた。

 そんな奮闘もあって、浦和は無失点で乗り切ることに成功。ゴールが奪えなかったのは大きな課題と言えるが、難敵・福岡にスコアレスドローというのは妥当な結果だったのではないか。

「今日は首位との差を詰めることを望んでいた試合だったので、それができなかったのを残念に感じている。それでも、相手も非常にいいプレーをしていた中で、頑張って勝ち取った勝ち点1でもあった」と指揮官も神妙な面持ちで語っていた。

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