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Jリーグ 4か月前

「ルーキーイヤー以来くらいかな」喜田拓也は苦笑した。横浜F・マリノスは「これまでと違う姿を示せた」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

前回対戦で味わった悔しさをバネに。「成長したところを見せよう」

「まずはラインを上げて、もう少しコンパクトにしようと。それが前の選手への助けにもなる。ボランチでプレーしているときも後ろが上げてきてくれると非常に助かりますし、その逆をみんなにしてあげたいと。理想はもう少しラインを上げたかったんですけど、みんなもかなり疲弊してきた状況だったので、そこもアジャストしながら、自分の意志だけじゃなくて周りと合わせて、というところは意識しました」

 2点のビハインドを背負った清水は、後半開始からキャプテンのFW北川航也、元日本代表のMF乾貴士を同時に投入してきた。マリノスにとっては想定内の展開だったと喜田が続ける。

「それはハーフタイムから共有していました。僕からも言いましたし、言わずもがなというか、みんなからもそういった声が出ていたので。あれだけ悔しい思いをさせられていたなかで、あのときと状況も一緒だぞ、と。成長したところを見せよう、という思いで後半に入っていきました」

 忘れもしない4月16日。ホームの日産スタジアムに清水を迎えた一戦で、マリノスは2-0から2-3と大逆転負けを喫した。清水は1点を追う後半から北川と乾を投入し、一気に圧力をかけてきた。それでも1点を追加したマリノスだったが、直後から3連続失点。82分に決勝点を決めたのは乾だった。

 今シーズンから指揮を執っていたスティーブ・ホーランド監督が清水戦をもって解任。ヘッドコーチのパトリック・キスノーボ氏が暫定監督から後に新監督に昇格するも負の連鎖は止められない。清水戦で「2」だった連敗はクラブワーストの「7」に伸び、その間に転落した最下位から抜け出せない泥沼に陥った。

 怪我で清水戦を欠場し、スタンドで観戦していた喜田も大きな衝撃を受けたと振り返る。

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