マリノスが正しい方向へ向かっていると証明するためにも問われた後半の戦い方
「ピッチに立ったみんなは、そこでしかわからない難しさも感じていたと思います。上から見ていた印象となりますけど、あれだけ勢いにのまれてしまい、ひとつ狂ってしまうと、力のあるチームには試合をひっくり返されてしまう。修正しきれなかった点で高い授業料でしたけど、あれを教訓にしないといけなかった」
トラウマになりかねない逆転負けからちょうど4カ月。指揮官がさらに大島監督へと代わり、3-0で快勝した7月20日の名古屋グランパス戦でようやく最下位から脱出した。少しずつながらもマリノスが正しい方向へ向かっていると証明するうえでも、清水戦の後半の戦い方が問われた。喜田がさらに続ける。
「今日は3点目を取りに行くところを意識していました。後ろ(守備陣)はもちろん無失点がベストで、ひとつやられても最少失点に抑える、というところも共有していました。実際にひとつやられましたけど、僕たちも1点を追加しているし、ウチのチャンスになるシーンが多かった点も含めて成長したところを、(大島)秀夫さんになってやりたいサッカーをある程度出せたという意味ではよかったと思っています」
デイビッドに代わったFW谷村海那が、カウンターから80分に追加点をゲット。90分に北川に一矢を報いられたものの、前半から間断なく降り続ける雨が激しさを増す時間帯が増えたなかで、喜田は事前の準備や体の向き、相手より先に一歩を踏み出す姿勢など、小柄なCBに求められるプレーを実践し続けた。
しかし、またもや状況が変わる。右サイドバック(SB)の松原健がシュートを放った直後に右足をつらせ、プレー続行が不可能になる。大島監督は85分にCBでの経験も豊富なMF山村和也を投入。188cm・85kgの山村がCBに入り、それまで松原がプレーしていた右SBに喜田が回った。