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清水エスパルスは7月5日、明治安田J1リーグ第23節でFC町田ゼルビアと対戦し、3-0の完敗を喫した。この試合で得点こそならなかったものの、アタッカーとして町田ゴールを脅かした松崎快。自身2年ぶりのJ1の舞台で出場時間を着実に増やしている27歳には、そのプレーと言葉の端々から決意が感じられた。(取材・文:藤江直人)
松崎快が数ある選択肢から選んだプレー
【写真:Getty Images】
脳裏には複数の選択肢が浮かんでいた。FC町田ゼルビアのゴール正面だけでなく、自身と反対側のサイドにも味方がフリーで走り込んできているのも見えていた。それでも清水エスパルスのシャドーの一角を担う松崎快は、迷わずに右サイドからのカットインを選択。次の瞬間、利き足の左足を一閃した。
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敵地・町田GIONスタジアムに乗り込んだ5日のJ1リーグ第23節。1点を追う状況で迎えた66分に、6月以降のリーグ戦で2分け2敗と勝ち星がない清水が、カウンターからビッグチャンスを作った。
町田のキャプテン、DF昌子源が放ったロングフィード。ターゲットになった日本代表のMF望月ヘンリー海輝との空中戦に挑んだMFカピシャーバが必死に粘り、こぼれ球を拾ったDFマテウス・ブルネッティからパスを受けたFW乾貴士が反転。すかさずドリブルを開始してカウンターを発動させた。
次の瞬間、乾はセンターサークル内からバイタルエリアの真ん中にポジションを取っていたキャプテン、FW北川航也へ鋭い縦パスを送る。左足でボールを落ち着かせた北川は昌子を背後に背負いながら、時計とは逆回りに反転。プレッシャーに屈せずに、右足で右サイドへパスを通した。
そして、昌子が担うエリアには大きなスペースが生じていた。パスを受けた松崎が右角から町田のペナルティーエリアへ侵入すれば、ゴール正面には日本代表に初招集されたボランチ宇野禅斗が、左サイドには投入されたばかりの高卒ルーキー、MF嶋本悠大(熊本・大津高卒)がフリーで走り込んできていた。
しかし、松崎は複数の選択肢のなかから、味方へのパスをすでに消去していた。