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「代表監督」と「クラブ監督」を区別する言語も。用語の違いから考える「監督」の役割【サッカー用語の基礎知識】

シリーズ:サッカー用語の基礎知識 text by 実川元子 photo by Getty Images

各言語でまちまちな呼称

 それでは他の国のナショナルチームを率いる人はどう呼ばれているか?

 日本では「サッカー日本代表監督」という呼び方が定着していて、日本サッカー協会の英語版ホームページには”Japan National Team Coach”とある。監督を英語に直訳すればdirector=ディレクターとなるが、英語の肩書ではcoach=指導者があてられている。

 気になるので、ほかのサッカー「先進国」ナショナルチームの呼び方を調べてみた。すると、ナショナルチームの監督の呼び名はまちまちだし、クラブチームの監督の呼び方も統一されていないではないか。各国サッカー協会・連盟のホームページから拾ってあげてみる。カッコ内に直訳をつけてみた。

・イングランド
“England National Football Team Coach”(イングランド・フットボール・ナショナルチーム・コーチ)

・スペイン
“Entrenador de la Seleccion del Equipo Nacional de futbol de Espana” (サッカースペイン・ナショナル選抜チームのトレーナー)

・ドイツ
“Deutsche Fussballnationalmannschaft Trainer”(ドイツサッカーナショナルチーム・トレーナー)

・オランダ
“Nederlands voetbalelftal Bondscoach”(オランダ サッカーナショナルチーム ヘッドコーチ)
 
 だいたいがコーチ、もしくはトレーナーであるが、スペインでもワールドカップや欧州選手権のような大会に向けて選手発表のときには「セレクシオナドール(seleccionador)」という肩書でメンバー発表が行なわれている。

 スペインでもクラブチームはトレーナーという意味の「エントレナドール(entrenador)」であるが、ナショナルチームでは選抜する人のセレクシオナドールという肩書になる。コーチやトレーナーと、選手選考者とは区別されているのだ。

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