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日本代表 7年前

吉田麻也がサウジ相手に警戒する「ファウル」。ポイントは攻撃時の守備オーガナイズ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

最終予選で日本が喫した失点はセットプレーから

2次予選だけで14ゴールを決めている、サウジアラビアのモハンメド・アルサハラウィ
2次予選だけで14ゴールを決めている、サウジアラビアのモハンメド・アルサハラウィ【写真:Getty Images】

 エースを欠いたサウジアラビアはしかし、ホームでタイ代表に1‐0、中立地のマレーシアが舞台となったイラク代表戦では2‐1と連勝スタートを切って波に乗った。勝利の立役者はMFナワフ・アルアビド(アルヒラル)だ。2試合でサウジアラビアがあげた全3ゴールをすべてPKで、しかも残り時間が10分を切ってから決めている。

 さらに付け加えれば、サウジアラビアの総得点8のうち、前半に決めたのはわずかひとつだけ。オーストラリア代表をホームに迎え、2‐2で引き分けた第3戦の開始5分にMFタイシール・アルジャッサム(アルアハリ)が叩き込んだもので、あとはすべて後半25分以降にマークされている。

 PKを含めてセットプレーからの得点が多い点に、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「彼らの罠にかからないように注意しなければいけない」と警鐘を鳴らす。アジア最終予選の4試合で日本が喫した4失点は、2つのPKを含めて、すべてセットプレーから招いているからだ。

 特にUAEに1‐2とまさかの逆転負けを喫した9月1日の第1戦。同点とされた前半20分の直接フリーキックは、不用意なミスからカウンターを招き、司令塔オマル・アブドゥルラフマンのスルーパスに抜け出したFWアリ・マブフートを吉田が倒したファウルから生まれていた。

 だからこそ冒頭の部分で「同じ轍は絶対に踏まない」と記したわけだが、吉田自身もサウジアラビアの試合映像を何度も見たうえで、自らに言い聞かせるかのように守備のポイントをあげている。

「監督も言っているように、ファウルには本当に気をつけなければいけない。あとは相手の無駄なセットプレーを極力なくすこと。守備に関しては90分間を通して、細かい点をしっかりとこなしていけないといけない。全体をコンパクトに保って、相手にスペースを与えないこと。相手が別にサウジアラビアだから、というわけではなく、いつも通りのことをしっかりとやれれば大丈夫だと思っています」

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